2014年8月25日月曜日

大使館は退去、空港は閉鎖 リビアで内戦再発の危機

大使館は退去、空港は閉鎖 リビアで内戦再発の危機
3年前にカダフィ政権が崩壊したリビアで、民兵組織間の戦闘が激化している。ほとんどの外国大使館は退去し、首都の国際空港も閉鎖。政府や議会が民族派とイスラム派に分裂して統治機能を失っている。弱体な国軍は民兵を抑えられず、ほとんど内戦再発の状況になっている。
アラビア語衛星放送アルジャジーラの報道によると、首都トリポリの国際空港が23日、首都の東方のミスラタを拠点とするイスラム系民兵組織によって制圧された。首都では、今年7月初めから、ミスラタ民兵組織と首都の南西のジンタンを拠点とする民兵組織が、戦闘を続けていた。ジンタンの民兵組織は、部族有力者や旧カダフィ政権から離反した旧政権幹部などからなる民族派と連携しているとされる。
空港を巡る戦闘は、今月17日から18日にかけて、ミスラタ民兵の拠点に正体不明の爆撃機による攻撃があったことをきっかけに激化していた。空港では、エジプトとチュニジアからの航空便が飛んでいたが、空爆以来、運航は止まった。
トリポリでは停電が続き、市中心部で民兵同士の銃撃戦が起きてほとんどの外国人が退去している。在リビア日本大使館は7月下旬にカイロに退避した。
再生核研究所声明 54(2011.04.01):  
リビア軍事介入について 
全ての議論は、前提となる背景、条件、環境に左右されるから、それらについて整理して、それらの仮定の上で議論を進める必要がある。世に捏造、誤報、陰謀、偏向報道が、はびこっており、特に軍事関係では、真相は何時までも、定かでないのが世の常だからである。
リビア軍事介入の事実としては、
1)リビア政府軍が 軍事的に、暴力的に国民を弾圧したこと、
2)それに対して、米、英、仏、ドイツなど多国籍軍が、軍事介入したこと、
そしてNATOが軍事介入を続行していること。
これらの相当に確かな事実の上に、問題点と学ぶべき国際状況を明るく展望したい。
第1の根本問題は、内政干渉の問題である。 これは厳格にきちんとしないと、直ちに世界混乱の火種になり、またそのような不安定を引き起こす原因となりかねない事である。 実際、民主化運動が各地で起きている。 西欧先進国を代表する しかも 力を有する諸国の軍事介入であるから、軍事介入そのものの是非を論じても空しいが、最近の軍事情勢は、いわばリビアの内乱に 多国籍軍が、反政府軍に肩入れをしている状況であるから、軍事介入は、既に危険で 失敗に当たるのではないだろうか。 国内混乱を増大させて、結果的には、膨大な経費をかけて、リビア国民にも損害を与え、リビアを衰退させる、イラクやアフガニスタンのような状況になっているのを危惧する。 アメリカは軍事費の負担増を嫌って、退き、NATOは、厄介な状況に追い込まれていると見られる。やむなく軍事介入を行う場合にも、軍事介入は短期間で収束できる展望がなければならないのに、リビア軍事介入は既に重大な誤算をしているように見える。
普遍的な原理として、内政には軍事介入はしない という原則を先ず、強く確認すべきであると考える。 これは内政、内部問題に外から介入すれば、混乱を増すだけであり、その国の大義は、その国に委ねるのが良いと考える。 国の統治や政治は、それぞれの国の固有の権利であり、他国が内政に、軍事的に干渉すべきではない。 これは国際紛争を少なくして、結果的には、各国の利益にもなると考える。 
しかしながら、今回の軍事介入について 明るい展望、精神も見えたので、特に触れておきたい。 リビアの反政府側が、政権を倒し、より良い政府を樹立するように見えたものが、 自国の軍事力、暴力によって、国民が弾圧され、結局、反政府側は失敗し、弾圧され、惨めな状況に追い込まれるのではないかとの危惧の念を抱いていた。 そのような折りでの軍事介入で、多国籍軍は、暴力を許さず、いわば国際警察官の役割を断行したのは驚きであり、地球には正義があり、それを利害や死を乗り越えて、行う精神と力があるのだと感銘を受けたものである。 西欧先進国の高い理想、精神には共感し、大きな勇気と希望が湧いてきたものである。 短期間に決行した背景には、このような正義感に基づく、 定言命法で戦略もなく、突入したように見える。 そのような行動は、日本国憲法第9条が、今や世界の多くの国で実現できる、国際社会の連帯の背景、事実を 実感させるものである。 これらは、次の時代には明確に構築されなければならない、国際警察業務のはしりとも考えられる。 国際連合の機能の拡充と進化を期待したい。 
再生核研究所声明10: 絶対的な世界の平和の為に を参照。

定言命法(ていげんめいほう、kategorischer Imperativ)とは、カント倫理学における根本的な原理であり、無条件に「~せよ」と命じる絶対的命法である。『人倫の形而上学の基礎付け』 (Grundlegung zur Metaphysik der Sitten) において提出され、『実践理性批判』において理論的な位置づけが若干修正された。
『実践理性批判』の§7において「純粋実践理性の根本法則」として次のように定式化される。
「あなたの意志の格率が常に同時に普遍的な立法の原理として妥当しうるように行為せよ」
カントによれば、この根本法則に合致しうる行為が義務として我々に妥当する行為なのである。 他のあらゆる倫理学の原則は「~ならば、~せよ」という仮言命法であるのに対して、カントの定言命法は「~ならば」という条件が無い『無条件の行為』を要求する。
一例として、「幸福になりたいならば嘘をつくな」という仮言命法を採用する場合の問題が挙げられる。ここでは「幸福になること」と「嘘をつかないこと」の間に必然性が有るのか無いのかが問題となる。「嘘をつかないこと」は幸福になるための都合の良い手段にすぎない。従って、もし「幸福になること」と「嘘をつかないこと」の間に必然性が見出されない(つまり道徳で幸福を得られない)場合には、「幸福になることを目的にする人」は不道徳(嘘をつくこと)を行うことになる。
また、仮言命法において何が道徳的かであるかの洞察は、行為(嘘をつくこと)と帰結(幸福)との間の自然必然性の洞察であり、経験論に属するものでしかない。条件節を欠くカントの定言命法は、倫理学が経験論の範囲に陥ることを防ぎ、経験論から独立した純粋に実践的な倫理学の範囲を確保するのである。
ウイキペディア フリー百科辞典より

カダフィ大佐「原爆を落とした米国になぜ好意を持てるのか」日本人に喝



再生核研究所声明177(2014.8.14)
国際紛争を少なくするための 単純明快な原則 を提案する

現在は未だ、夜明け前の 野蛮性を有する世界として、世界史の進化を熱望、夜明けを迎えるべき方法を提案し、また思想的な背景も述べてきた。ここでは国際紛争を少なくするための単純明快な原則を提案したい。 平和のための本質的な在りようについては 次を参照:
再生核研究所声明10 (2007/9/10): 絶対的な世界の平和の為に
再生核研究所声明 53(2011.3.24): 世界の軍隊を 地球防衛軍 に
再生核研究所声明 54(2011.04.01): リビア軍事介入について 
再生核研究所声明131(2013.9.3): シリア軍事介入について ― 日本の対応姿勢
(本声明は、声明に関心を抱く人の希望に応じて見解を纏めたものである)
2014.8.9. アメリカのイラク空爆に際して、まず、英明なるオバマ大統領の対応の難しさは、良く理解できる。この困難な状況の原因が そもそもアメリカのイラク軍事介入に有ることは歴然であり、独裁者の排除と大量破壊兵器の破壊を世界に宣言して、軍事介入を行ったものの、公言した大量破壊兵器はついに見つけられず、支持した、イギリスや日本などの国会でも厳しく追及され、アメリカの正義の大義は 地に落ちて、アメリカ国民を含む、世界中の信頼を失い、世界史にも汚点を残している。
平和を志向するオバマ大統領は 平和を追究し、一定の秩序の回復を待って、アメリカ軍の撤退を成し遂げたが、それもつかの間、反政府軍の増強で、アメリカの軍事介入を余儀なくされている。
こうなると、イラクを纏めることが如何に難しい問題であるかが認識させられ、皮肉にもサダム・フセイン大統領にイラクを纏めてもらいたかったという、心情さえ湧いて来るのではないだろうか。― 膨大な軍事費を掛け、破壊を行ない、沢山の犠牲者を出して、このような結果を招いている。痛切残念である。
未だ国内に混乱を有し、秩序の確立されていない国、地域が存在する。国、民族には多様な在り様、形態、秩序が有るが、それを大局的にみれば、国、民族には 内政不干渉、自治と秩序の在りように 外国軍が干渉しないことは 紛争拡大、混乱を避ける 基本原則ではないだろうか。明明白白たる事情、実際的には、国連における 3/4 以上などの圧倒的な支持が無ければ、国内紛争に 如何なる外国軍も介入しない 原則が良いのではないだろうか。
国内紛争、闘争などに 一方の勢力に対する如何なる軍事的な介入も、問題を複雑化し、国際化し 紛争を拡大させ、大きな視点では、紛争の拡大に繋がるものと考える。
内政、国内紛争における外国の介入の 上記原則禁止を 国際的に諒解したい。紛争の局地化を提案したい。 如何なる国家も、国家は、国を纏める 基本的な義務 を負うものである:
再生核研究所声明 11 (2007/9/14): 国の構成について
その国家の形成に、軽々しく外国軍は 介入すべきではなく、そのような紛争の元になるような、兵器などの援助を特定の勢力に対して行うべきではないと考える。アメリカにおける南北戦争や、日本における戊辰戦争などの場合を考えて見れば分るだろう。
以 上

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