太陽光発電は本当に環境に優しいか?
Christina Nunez,
National Geographic News
November 13, 2014
世界中でクリーンなエネルギーが求められるなか、太陽光を使った発電量はこの5年間で6倍に増加した。だが、ソーラーパネルの製造が環境にむしろ悪影響を及ぼしている可能性が現在指摘されている。
太陽光発電は本当に環境に優しいか?
パネルの製造には水酸化ナトリウムやフッ化水素酸といった腐食剤の使用が欠かせない。また製造過程で水や電力が消費されるため、温室効果ガスの排出は避けられず、廃棄物も出るのが実状だ。 このたびソーラーパネルのメーカー37社を格付けしたソーラー・スコアカード(Solar Scorecard)が新たに発表され、中国企業のトリナソーラー(Trina Solar)に続いて、カリフォルニア州のサンパワー社(SunPower)が最上位にランクインするなど、数社が格付けを上げた。
ソーラー・スコアカードは、1982年からハイテク企業の環境への影響を調査しているサンフランシスコ拠点の非営利組織、シリコンバレー有害物質問題連合(SVTC)によって毎年作成されている。5回目となる今回の調査では。持続可能な製造方法を実践しているかについて、業界全体で不透明になっているという結果が示された。 SVTCはスコアカードを発表することで、生き残りと成長に重点を置きがちな業界に透明性が増すことを期待している。
◆化学物質や排出量に関する不十分なデータ
SVTCは、排出量や化学物質の毒性、水の使用量、リサイクル率といった企業の自己申告データを基にスコアカードを作成している。事業に関する詳細なデータの共有に協力的な企業が減っているなか、SVTCは3位のインリーソーラー(Yingli Solar)と4位のソーラーワールド(SolarWorld)が毎年調査に協力し、持続可能な事業の展開に積極的であると高く評価している。
一方、環境影響を考慮しない企業が市場に参入し、安い価格でシェアを獲得していくと、持続可能性を優先課題にする企業が少なくなるとSVTCは懸念している。
国ごとに異なる規制や製造法の違いによって、光電池の環境影響に関する標準的なデータを得ることは難しい。ノースウェスタン大学とアルゴンヌ国立研究所が今年5月に発表した研究報告によると、中国製のパネルに係る二酸化炭素の排出量はヨーロッパ製のパネルのおよそ2倍で、環境基準の低さや石炭火力発電所の多いことが起因している。
中国では既に反動が起きている。例えば、パネルメーカーのジンコソーラー(Jinko Solar)は、浙江省の工場から出た有毒廃棄物を付近の河川に流した。住民は反対運動を起こし、会社を告訴している。
米国のパネルメーカーは連邦と州の規制を受け、有害廃棄物を含む排水の方法と場所が厳しく定められている。欧州では、有害電子廃棄物の排出削減と適切な廃棄方法を定めた規制が最近になって設けられた。
規制などの違いから、ソーラーパネル市場で正確なデータを得るのは難しいと研究者は指摘する。
それでも、現段階でソーラーパネル産業に透明性を増すことは、今後のパネル事業の良い模範になるとSVTCは期待している。
◆まだ早いリサイクル
ソーラーパネルのリサイクルは、古いパネルを処理する施設の不足と、利益が出るほどまだ廃棄されていないという二重の課題を持つ。 パネルには銀やテルル、インジウムといったレアメタルが使われているため、リサイクルは特に重要であると、サンノゼ州立大学の環境学助教授でSVTCの科学アドバイザーを務めるダスティン・マルバニー(Dustin Mulvaney)氏は述べる。
だが、リサイクルが制限されることで、これらの回収可能な金属が廃棄処分されかねない。
現在製造される光電池のほとんどはシリコンでできている。シリコンは豊富に存在するが、「シリコンベースの光電池を製造する過程で多くのエネルギーが消費される」と5月に発表された研究の共著者で、ノースウェスタン大学工学科の助教授フォンチー・ヨウ(Fengqi You)氏は語る。
SVTCによると、グリーンビルディング協会の「エネルギーと環境に配慮したデザインにおけるリーダーシップ(LEED)」プログラムに類似した、ソーラーパネルに関する初めての持続可能性基準が今後2年以内に設定される予定だ。
発電という観点では既に十分な環境的信頼を獲得しているソーラーパネル業界だが、この先大きな変化を生じるほどの外圧に直面するかどうかはまだわからない。
業界が成熟するにつれ、パネルメーカーがより厳しい持続可能な対策を採用するだろうといった楽観的な見方もある。SVTCがスコアカード調査を開始してまだ5年だが、既に変化が見られるとマルバニー氏は述べている。
Photograph by Michael Melford / National Geographic Creative
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20141113003
そのような貴重な観点、 大いに議論して欲しい。
一面ではなく、全体的な評価が 大事では?
再生核研究所声明 69(2011/09/27) 単細胞人間 ― 単細胞的思考
(背景: 2011/09/22 宿舎で朝食をとっている最中に 突然閃いた考えです。 単細胞人間という言葉を聴いたのは 恩師がゼミの学生に言われた言葉として、伺って来ました。
類語辞典には 近視眼的な ・ 目先の利益だけ考えた~ ・ せっかちな(結論) ・ (単なる)向こうみず ・ 単線思考の ・ 単細胞(人間) とある。 また、 ツイッターで、 恩師が、単細胞人間 と言った ということを 思い出させます。 小さな真実を見て、 全体が見えないのですね。 愚かさの表れ ではないでしょうか。 脱原発デモ なども そうではないでしょうか と呟いた後です。)
単細胞的思考とは
小さな事実を それに関係する全体の中での 位置づけができず、その局所的な、断片的な事実をもって全体に普遍させてしまう愚かさであると表現したい。
まず、現実的な問題で考察し、しかる後に一般論を展開したい。
脱原発デモ、脱原発運動、これはどれほどの意味があるでしょうか。そのまま主張を全て受け入れたら、どのようになるでしょうか。長年かけて膨大な資金を注ぎ、人と設備を整えたものを活用できないとなれば、電力会社は 膨大な損失である、相当に電気料を課しても経営が成り立たないのは 素人の目にも明らかではないだろうか。電力会社は どの程度の損失に当たるかを明らかにして 国民に理解を求めるべきである。天災の事故で、恐ろしいは 分かるが、何十年も続けてきたことをいきなり、中止せよ反対、このような要求は 子供の要求と同じで、単細胞的思考の典型的な例と考えられる。まともな考えとは、くれぐれも慎重に運営して欲しい。場合によっては、在り様は 分かれるが、段階的に縮小して欲しいという意見ではないだろうか。
これについては、再生核研究所声明 67: 脱原発デモ ― 非現実的な貧しい二律背反の発想と飛躍した議論 を参照。
相当の人が、国防の在り様について、敵地攻撃能力の整備を と主張している。自分は強く、相手を罰せられるので安全になると考えているのであろうか。 しかし、逆に考えてみれば、当然、公正の原則で 相手も敵地攻撃能力を高めて、直ちに軍拡競争に入ってしまう。場合によっては、逆襲され、先に攻撃して、壊滅させてしまえ となりかねない。 経済的にも大変で、危険性を増大させる、それこそ、単細胞的思考ではないだろうか。空母が欲しい、軍事的には、南シナ海、東シナ海を「日本海」にすることだ、そのためには原子力潜水艦を持つことに尽きる 等も同じような考えではないだろうか。
次を参考: 再生核研究所声明 49: アジアの愚か者、アジアの野蛮性。
次に、有名な蓮舫氏の発言について「研究は1番でないといけない。“2位ではどうか”などというのは愚問」とは おかしいと考える。 そのような質問をせずに、切りなくお金を注げば、第一 他の いろいろ大事な研究費を圧迫してしまう現実。 研究費は 無限ではないので、 どのように配分するかは、 国家の大事な問題。 戦艦大和のように 時代遅れの兵器を、研究でも、お金を掛ければ、大きければ、世界第1位でなければ、の発想は おかしい。 蓮舫氏は、 決めつけているのではなく、 なぜかと問うているのだから、 きちんと答えるのは、 研究者の 国民に対する義務であり、また、他の多くの研究者や、若い研究者も、どうしてそちらばかりお金をかけるか、知りたい 自然な 質問ではないだろうか。 蓮舫氏の質問は,政治家として、当然の立派な質問だと評価したい。専門家は日本国が破産を迎えても、自分のところの研究費だけはと 要求するだろう。 これは専門家の独善と大局に想いを致せない単細胞的思考の現れと言え、 専門化、局所化した現代社会の本質的な問題と考える。高度に専門化して、自分たち仲間でしか議論も話しも通じず、他の価値さえ理解できず、本当に生体の中の ほんの一部の細胞の役割しか 果たせなくなっている。 人事の進め方、評価なども 結局 仲間同志の中でしか、考えられない 現実である。 検察や弁護士も法律の条文にばかりに囚われていて、法の精神や生きた社会や世界的な視野に欠けて、おかしな判断をすることが多い(再生核研究所声明 31:法の精神と-罪と罰)。
上記 事例で分かることは 愚かさの故の行為と 背後に利害が絡んでいて 理に反しても強弁している場合とがあるということである。 何れも人間の本質的な弱点であると自戒したい。 そこで、 単細胞的な思考 に陥らない心得を 次のように纏めて置きたい。
1) 絶えず、逆の立場、反対を考えて、みる。
2) その意見を 徹底的に進めたら どうなるかを考えてみる。
3) みんなが、それに賛成、実現したら、どうなるかを考えてみる。
4) 特に関係の無い第3者や 素人の意見も参考にする。
5) 世の問題は、真か偽か、正しいか正しくないか、赤か白かのように きちんと分けられるものでは ないものであり、微妙に入り混じっている複雑な在り様であり、在り様の在り様を 多様に考える 幅の広さに心がける。
6) 一度決めるとそれに拘り、その意見に固執しがちであるから、絶えず高い立場の見解、良い意見に止揚していく心構えを柔軟に持つ。
7) くれぐれも派閥、仲間、専門家あるいは、地域、職業、宗教などの集団の枠、組織に囚われない。 また、考えを固定化したり、人を分け隔てたような考え方をとらない。
8) ある程度時間をかけて、大事な問題ほど、影響が大きい問題ほど じっくり考える。 全体の状況が 見えるまでは 謙虚な態度で臨む。
これらを 単細胞的思考から抜け出す心得としたい。しかしながら、人間は 本質的に愚かであり、予断と偏見に満ちた存在であること を肝に銘じて置きたい。
なお、個人と社会の在り様については 次を参考にして頂きたい: 再生核研究所声明 35: 社会と個人の在りよう ー 細胞の役割(この声明の趣旨は 人体と細胞のように国家と個人は、社会と個人は有機体の存在として、 調和ある存在 になろう ということにある。 実際、一個の人間の存在は 細胞が生体の中で有機的な存在であるように、本来社会の中で有機的な存在ではないだろうか。 生体が病んでしまったら、個々の細胞の存在はどのようになるかに 想いを致したい。 実際、人類の生存は、如何なるものをも超えた存在である(最も大事なこと:声明13)。
以 上
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