ルネサンスの巨匠、レオナルド・ダビンチの作品の1つで、長らく所在がわからなくなり、幻の作品とされた、イエス・キリストを描いた油絵のオークションが15日、アメリカ・ニューヨークで行われ、美術作品の史上最高価格となるおよそ4億5000万ドル(日本円で500億円)を超える価格で落札されました。 作品は、レオナルド・ダビンチが代表作の「モナリザ」に先立つ1500年ごろに制作した「サルバトール・ムンディ」という油絵で、深い青色のローブを着たキリストが祝福するように右手を上げ、左手に水晶を持っている姿が描かれています。オークション会社によりますと、現存するダビンチの16点の作品のうち唯一、個人の所有で、オークションにかかる最後の作品だとして、日本円で100億円以上での落札が予想されていました。15日夜、ニューヨークで行われたオークションでは、20分近く入札が続く中、10億円単位で価格が上がり、手数料を含めておよそ4億5030万ドル(日本円でおよそ508億円)で落札されました。オークション会社は、これまでに落札された美術作品の最高価格だとしていますが、誰が落札したかは明らかにしていません。作品は、17世紀にイギリス王室が所有していたあと、一時、所在がわからなくなったほか、1900年に見つかって以降も、顔や髪の毛の部分などが上塗りされていたことなどから、ダビンチの作品ではないとされ、修復を経て2011年にようやくダビンチのものと確認されるなど、複雑な経緯をたどった「幻の作品」としても注目されていました。
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