相次ぐ赤字ローカル線廃止、地方「切り捨て」の足音が聞こえる
赤字ローカル線廃止の動きが全国で相次いでいる。北海道では、留萌線の一部が12月で廃止されるほか、JR北海道が大幅な路線縮小を関係自治体と協議する方針を示した。中国地方では、JR西日本が広島県と島根県を結ぶ三江線の廃止を近く正式発表するとみられる。地方の人口減少が急速に進んでいることなどから、島根県立大総合政策学部の西藤真一准教授(交通政策論)は「今後も赤字ローカル線の問題が浮上する」とみている。地方創生の時代に地方切り捨ての足音が聞こえる。
執筆:政治ジャーナリスト 高田 泰(たかだ たい)
<目次>
JR北海道は路線の抜本的見直しを計画
ひと足早く留萌線の一部が12月に廃止
JR西日本は三江線全線廃止を近く表明
養老鉄道は上下分離方式で存続
自治体に求められる将来を見越した交通計画
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JR北海道の増毛駅。留萌-増毛は12月に廃止となることが決まった
JR北海道は路線の抜本的見直しを計画
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JR北海道、赤字を出す不採算路線を廃止できない深刻な裏事情
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「すべての路線を維持したのでは経営破綻を避けられない。持続可能な交通体系を地域の皆さんと相談したい」。JR北海道の島田修社長は7月末、札幌市で記者会見し、鉄道事業を抜本的に見直す方針を明らかにした。
JR北海道は近く、運行している14路線、約2,600キロのうち、単独で維持困難と判断した区間を関係自治体に提示する。そのうえで地域の公共交通維持に必要な対策を協議する方針だ。
見直しの対象となる区間は明らかにしていないが、島田社長は会見で利用の少ない区間を対象とする見方を示唆した。運賃の引き上げなどで対応しきれない区間については、バスなど代替交通機関への転換もやむなしとしている。
北海道は札幌圏を除き、全国を上回るハイペースで人口減少が進んでいる。このため、1975年の輸送密度(営業距離1キロ当たりの1日平均旅客輸送人員)を100として見ると、10分の1に落ち込んだ区間も出てきた。
JR北海道が道主催の地域公共交通検討会議に提出した資料によると、2014年度の全14路線30区間はすべて赤字で、うち7路線10区間が輸送密度500人を下回った。輸送密度500人程度の区間では燃料費も賄えない。
JR北海道の主な線区別輸送密度と収支状況(2014年度)
線名・区間 輸送密度
(人/キロ/日) 管理費含む営業損益
(百万円) 営業係数
(円)
留萌線 留萌-増毛 39 ▲227 4554
札沼線 医療大学-新十津川 81 ▲332 2162
石勝線 新夕張-夕張 117 ▲182 1421
根室線 富良野-新得 155 ▲892 1591
留萌線 深川-留萌 177 ▲647 1508
日高線 苫小牧-様似 298 ▲1544 1179
宗谷線 名寄-稚内 405 ▲2544 622
根室線 釧路-根室 436 ▲1000 505
根室線 滝川-富良野 460 ▲1028 953
釧網線 東釧路-網走 466 ▲1652 594
室蘭線 沼ノ端-岩見沢 516 ▲1130 1011
函館線 長万部-小樽 675 ▲2067 570
石北線 上川-網走 1051 ▲2907 327
宗谷線 旭川-名寄 1512 ▲1919 365
根室線 帯広-釧路 2259 ▲3234 246
函館線 函館-長万部 3765 ▲4281 194
函館線 岩見沢-旭川 9320 ▲2517 143
出典:JR北海道「地域公共交通検討会議」提出資料
JR北海道は運賃収入の低迷に加え、修繕費や安全対策費を先送りしてきたことが影響したため、2017年3月期の経常損益が175億円の赤字となる見込み。このまま全線を維持し続ければ、毎年200億円近い赤字が出る可能性がある。借入残高も2019年度には1,500億円に膨らむ見通しだ。
赤字解消や借入金の返済、老朽化した橋の更新を考えると、年間200億円ほどの収支改善が必要になる。輸送密度2,000人未満の区間の赤字が全体で約200億円に達することから、JR北海道は輸送密度2,000人未満を維持困難な路線の目安と考えているもようだ。この場合、宗谷線など11路線が該当するという。
北海道交通企画課は「赤字のすべてを線区の見直しで補おうとするのなら、北海道の交通ネットワークに与える影響はあまりにも大きい」と困惑している。
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(クリックで拡大)
JR北海道は全線が営業赤字、総額は約400億円にのぼるという(2014年度)
(写真:Cy Speed/flickr)
ひと足早く留萌線の一部が12月に廃止
路線見直しに先立ち、廃止が決まったのが、留萌市と増毛町を結ぶ留萌線の留萌-増毛間16.7キロ。JR北海道は既に両市町の同意を得て、鉄道事業廃止届を国土交通省北海道運輸局に届け出た。
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留萌線の一部が12月に廃止になる
(写真:Yuriko IKEDA/flickr)
同区間は故高倉健さん主演の東宝映画「駅 STATION」(1981年、降旗康男監督)のロケ地として知られるが、2014年度の輸送密度はわずか39人。100円の営業収益を上げるのに、4,554円もの経費がかかる。2014年度では約2億円の営業損失が出ていた。
両市町は当初、廃止に強く抵抗していたが、JR北海道が増毛町に代替交通機関運用経費の一部負担や駅周辺整備事業への費用拠出を申し出るなどして両市町を説得、12月4日限りで幕を閉じることになった。
増毛町は7月末現在の人口約4,600人。漁業が盛んな町だが、1970年に約1万1,000人を数えたのに、半分以下に落ち込んでいる。高齢化も深刻で町民のざっと4割が65歳以上の高齢者だ。留萌線は高齢者ら交通弱者の足になってきた。
増毛町町民課は「廃止の受け入れは苦渋の選択で、今も残念でならない。今後は路線バスで町民の足を守っていきたい」と厳しい口調で語った。
【次ページ】JR西日本は三江線全線廃止を近く表明http://www.sbbit.jp/article/cont1/32542
再生核研究所声明192(2014.12.27) 無限遠点から観る、人生、世界
(これは、最近、夢中になっているゼロ除算の発想から湧いた、逆思考である。要するに遠い将来から、人生や世界をみたら、考えたら、どのようになるかという視点である。)
主張が明確に湧いたので、結論、趣旨から述べたい。人は我々の目標や希望が未来にあり、そのためにその目標に向かって、努力、精進などと志向しているは 多いのではないだろうか。そのような意味で、我々の関心が、先に、先に有るように感じるのではないだろうか。これは自然な心情であろうが、別の視点も考えたい。成長や発展、変化には適切な有り様が有って、早ければ良い、急いで進めれば良いとはならないということである。現在は、未来のためにあるのではなく、現在、現状はそれ自体尊いという視点である。先、先ではなく、 いま、いまが大事であるという視点である。生物の成長には固有のリズム、
成長のペースがあるということである。我々は、生物としての枠、構成されている状況によって制限があり、適切な有り様が存在する:
再生核研究所声明85(2012.4.24)食欲から人間を考える ― 飽きること
理想的な有り様には 自然な終末もあり、大局的にみれば、大きな流れにおける調和こそ
大事ではないだろうか。次の声明
再生核研究所声明144(3013.12.12) 人類滅亡の概念 - 進化とは 滅亡への過程である
の題名も真実だろうが、そこで述べた、
そこで、 ここでの教訓は、目標や先は、そんなに良くはないのだから、何事無理をするな、自分のペースで、急がず、慌てず、 自分の心の状態を尊重する ということである。人生の一つの原理は、ゲーテの 絶えず活動して止まないもの、 アインシュタインの 人生は自転車に乗っているようなもの である、 止まったら、倒れてしまう、 岡本太郎氏の 芸術は爆発だ、どんどん爆発を続けて行くのが芸術だ。 これらは、誠 至言である。
は真実としても、活動を進める情念も結局、自己のペースが大事であって、あまり外の影響を強く受けるべきではないと言う、視点が大事ではないだろうか。
言いたいことは、個人の心持ちもそうであるが、経済活動、社会活動、科学の進歩も、全体的な流れにおける調和が大事であるということである。例えば
磁気浮上式電車の開通の是非は 妥当であろうか。
原子力発電所の開発促進は適切であろうか。
グローバリゼーションは 急ぎ過ぎではないだろうか。
成果主義は行き過ぎではないだろうか。
経済の成長、発展 優先も大いに気になる。
などと難しい問題に対する広く、深い、総合的な評価の検討も要請したい。 次の声明も参照:
再生核研究所声明117(2013.5.10): 時,状況が問題; タイミングの重要性 、死の問題、恋の問題。
以 上
再生核研究所声明75(2012.2.10): 政治・経済の在りようについて
(この声明は 再生核研究所声明に関心を抱く方の要望によって、動機付けられたものです。他方、大谷杉郎 元群馬大学名誉教授の下記の文が気になって来ました: (新里山文明 ― 私は、基本的には、社会の制度、経済の仕組みにまで立ち入らないと解決はしないと思っています。無駄をすればするほど、景気がよくなるという経済の仕組みの通用した時代は、もうあきらめたほうがいいと思っています。技術と社会制度と、それに人々との考え方と、みんな一緒にならないと循環社会、新里山文明の時代は来そうにありません。 ―( 日だまりの風景 平成18年9月15日発行 大谷杉郎著 印刷所 太陽印刷工業(株)P106~P107より )(群馬大学工業会会報・平成11年3月 99)p95~p107より)。)
上記両者の意見には いわゆる資本主義は 社会主義同様 行きづまっているのではないか、新しい社会の、経済の在りようを模索する必要が有るのではないか との考えを暗示しているようにみえる。
もちろん、政治・経済の在りようについての総合的な考察は、大きな課題であるから、考察を進めるには 重い課題ということになる。 しかしながら、歴史は連続的に流れ、慣性の法則で動いている(再生核研究所声明 72 慣性の法則 ― 脈動、乱流は 人世、社会の普遍的な法則)とすれば、現状の問題点を分析することによって、在るべき方向が見えて来ると考えられる。
現在の世界を、アメリカ、EU, 日本など、いわゆる自由主義経済、資本主義社会、民主主義の国々、および、 ロシア、中国など、いわゆる社会主義の変化で 社会主義と資本主義の中間に位置する国々、および いろいろな国柄を反映させているその他の国々と考えてみよう。 社会主義国では、経済活動は国によって計画され、企画されて、人々を資本家から解放し、より平等で公正な社会を目指していると考えられたが、結果は産業・経済活動が停滞し、民生の遅れをもたらし、皮肉にも自由、平等、民主主義の理念から外れ、社会主義の理念は 内部から、崩壊し、より自由な経済活動を許す、解放経済の方に向かわざるを得なかったようにみえる。 これは自由な経済活動が、産業の活性化をもたらし、国や特定の機関の管理では、庶民の力を発揮することができないという、 いわば、人間の本性に根ざした原理から出ていると考えられる。
しからば、資本主義諸国の現状における問題とは何だろうか。 いみじくも、アメリカ,EU, 日本に共通する大きな課題は、 膨大な債務を抱えて、財政破綻の危機にさらされているということである。これは、民主主義の中で、庶民の意志を尊重するあまり、各国の政府が無責任な財政運営を余儀なくされてきたということに他ならない。 民主主義は衆愚政治に陥り、国家は財政破綻を迎えたと、旧社会主義や独裁主義国家から、嘲笑されかねない由々しき事態ではないだろうか。 自由を保証する社会は、そもそも人類の理想であるから、財政の立て直しによる、復活を願わざるを得ない。
しかしながら、資本主義社会で見られる、次のような現象については、大きな歯止めと警戒、対処が必要ではないだろうか。
債務の増大と金融不安、
過熱な自由競争の国際化、
過熱な投機の在り様、
行きすぎた世界的な経済活動、
行きすぎた世界の均一化、
多くの失業者の出現、
為替の急激な変動、
貧富の大きな格差、
アメリカなどに見られる 軍事産業の力、
大量生産、大量消費の在り様、
お金、お金の風潮の増大、
社会生活まで、共生より競争の世相、成果主義や評価、評価の厳しい世相、
経済活動の環境、社会への大きな影響 など、
それらについて、関係する国際的な機関で 枠をはめ、より良い方向に誘導するような政策を進める必要が有るのではないだろうか。植物界でも動物界でも、自由に野放ししておけば良いとはならず、適当な手入れ、癌細胞などは除去するなど適切な処置が必要であるように である。― これは要するに、現状の自由を尊重する、資本主義と民主主義の在りようを評価して、そこから発する大きな歪を是正していこうとの 現実的な対応を志向するものである。
上記 (無駄をすればするほど、景気がよくなるという経済の仕組み)などについては 税率によって、 調整して行く と考えるのは 如何なものであろうか。
他方、ロシアや中国における在りようの問題では、いまだ自由の保証が十分では無く、人権、人間の尊厳の観点から問題が有るのではないかとの危惧の念を抱かせるが、それぞれの国には それなりの歴史と伝統、文化が有るのだから、軽々しく内政干渉のような態度をとらない姿勢が大事ではないだろうか。 アラブや、その他の諸国についても お互いに内政干渉を控え、いろいろな国による、多様な在り様、多様な文化の存続を尊重、重視していくべきではないだろうか。 いわゆる グローバリゼーションは 地球を画一化して、貧しい均一的な 世界を作り、 傾向として良くないと評価したい。 多様な世界を志向したい。
逆に民主主義の問題点を指摘して置きたい。 上述の様に国民に慮る故に 政府が弱く、政府が責任ある政治を進めることができない状況が起きているから、政治家の身分を安定的に保証して、責任ある政治に専念できるように配慮すべきではないだろうか。そのためには、首相や国会議員の任期を長くして、その間、身分を篤く保証することも検討に値するのではないだろうか。アメリカの大統領選出過程などは あまりにも 長く、現実的ではないのではないだろうか。多数の意見が広く表現できるのは良いが、無責任なムードのようなもの、世論で、 政治が歪められやすい状況について、警戒を要するのではないだろうか。 次の危惧を参照(再生核研究所声明 33: 民主主義と衆愚政治)。
以 上
再生核研究所声明 13 (2008/05/17): 第1原理 ― 最も大事なこと
世界の如何なるものも 環境内の存在であり、孤立した存在は在り得ない。世界の如何なる芸術も真理もまた一切の価値は、人類が存在して始めて意味のある存在となる。従って人類の生存は、如何なるものをも超えた存在であり、すべてに優先する第1原理として、認識する必要がある。よって環境や戦争については 多くの人間の関与すべき重要な問題と考えなければならない。21世紀は、近代科学の進歩によって 地球の有限性が顕わになり、人類絶滅の可能性を感じせしめるようになってきた時代とも言える。
国が栄えなければ、地方の栄えは考えられず、県などが栄えなければ 市町村などの発展は望めない。市町村などが健全でなければ 地域は栄えず、住民や家庭の健全な生活は不可能である。しかしながら、現実的な対応としては、逆方向の発展を考えざるを得ない。すなわち私たち個人、および個人の近くから、より良い社会、環境になるように努力していくことである。孤高の存在は所詮空しく、儚いものである。それゆえに われわれは各級のレベルにおける環境と社会に思いを致すことに努力して行こうではありませんか。
特に、われなき世界は 存在すれども、何事をも認識できず、知ることもなく感じる事もできない。よって、われ存在して始めて、世界を知ることになるから、健全なる個人の存在は、個人にとっては最も大事な第1原理に考えざるを得ない。これは言い古されてきた、 まず健康ということ、 に他ならない。われなき世界とは 自分が影響を与えない世界のことである。この個人と社会の関わりは、 愛とよばれている、 愛の本質である。それは男女の愛と親子の愛が基本になっている。それはまた じんかん と よばれる人間存在の本質でもある。
この声明は 地球環境を限りなく大事にし、世界の平和を確立し、社会を大事に思い、世界の拡大と深化を、 個人を尊重しながら、 積極的に進めることを、各級のレベルで努力することを要請しているものである。その原理は、 人間存在の本質である、 人間存在における三位一体の理存在、知、愛の、存在して、始めて知り、求める事ができる という原理を、いわば当たり前のことを、
確認しているに他ならない。(しかしながら、実際にはこの自明な、重要な原理は、解析接続のように必然的に 新しい価値観と考え方を限りなく発展させ、雄大な世界を拓くのであるが、私個人はこの古い世界で生涯を閉じようとしていて、その世界には立ち入らない事にしたいと思う。不思議にも 少年時代に宇宙論と共にその世界を覗いたのですが、怖くなって覗かないようにしました。それはガウスが非ユークリッド幾何学を発見したが、世の反響の大きさを恐れて発表を控えたのと同じ心境です。) 以上。
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