関連研究者
辻健
辻健 科学研究費助成事業
九州大学・准教授 - 2015年度(平成27年度)
研究分野 地球惑星科学 総合工学 社会・安全システム科学
キーワード 地下応力 モデル実験 活断層 ナノジオサイエンス 地震災害
■ 概要
九州大学カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所(I2CNER)の辻健准教授、蒋飛学術研究員、米国ノートルダム大学のKenneth Christensen教授らの研究グループは、二酸化炭素(CO2)地中貯留において、限られた地層に効率的にCO2を貯留することのできる貯留層の条件(CO2の圧入方法)を明らかにする手法を開発しました。CO2地中貯留を行えば、近未来的にCO2を大幅に削減できると考えられています。
本研究では、岩石の構成粒子の隙間の中を流れるCO2の挙動を様々な条件で精度良く計算し、最終的に貯留されるCO2の量が貯留層の圧力や温度などの条件に強く依存することを定量的に示しました。また、この手法を応用することで、貯留層に大量のCO2を貯留できる条件を明らかにすることに成功しました。本研究で開発した手法は、世界最高サイズ(計算グリッド数)の岩石間隙モデルに対して流体シミュレーションを実施することによって、初めて可能となりました。
本研究成果は、2016年3月11日(金)にElsevier社の国際学術誌「Advances in Water Resources」のオンライン版で公開されました。
■ 背景
CO2の回収・貯留(CCS:Carbon dioxide Capture and Storage)プロジェクトでは、発電所といったCO2の大規模排出源においてCO2を分離・回収し、地中に貯留することで、大気中へのCO2の排出を削減します。既に海外では、いくつかのCCSプロジェクトが実施されています。国内では今月から、北海道の苫小牧市でCO2の地中貯留が実施される予定です。このCCSというアプローチは、近未来的にCO2を削減できる技術として注目され、昨年パリで開催された気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)においても、その重要性が指摘されています。日本周辺にもCO2を貯留できる地層があり、日本の総CO2排出量の約100年分を貯留できるという試算もあります。
このようにCCSプロジェクトは、CO2の削減に寄与すると考えられていますが、日本周辺にはCO2を圧入・貯留できる地層(貯留層)が広域的に分布している場所は少ないとされています。そのため、限られた貯留層の中に、効率的にCO2を圧入・貯留する必要があります。本研究では、効率的に大量のCO2を貯留する上で最適な条件(例えば地層へのCO2の圧入速度)を明らかにできる手法を開発しました。
■ 内容
研究グループは、天然の岩石の中にある微細な間隙※1の構造を、特殊なCT装置を用いて高解像度(~μm)で抽出し(図a)、その間隙内部を流れるCO2と水(2相流)の挙動を、格子ボルツマン法(LBM)※2という数値シミュレーション手法を用いることで正確に計算することに成功しました(図b)。Graphics Processing Unit(GPU)を用いた並列大規模計算を行うことによって、世界最大の計算グリッド数の岩石間隙モデルに対してLBMを用いた流体計算を行うことが可能となりました(図b)。この岩石モデルの巨大化により、岩石内部に存在する多数の間隙を流れるCO2の挙動を正確に計算し、その水理特性を評価することが初めて可能となりました。
本研究では、様々な貯留層の条件において岩石間隙内のCO2の挙動を計算し、岩石間隙の中にCO2をどれくらい貯留できるかを調べました。図cと図dに、CO2を圧入した速度の違いが間隙内部を流れるCO2の挙動に与える影響を調べた例を示しますが、CO2を圧入する速度が小さい場合のほうが、最終的に貯留されるCO2の量が大きくなること等が分かりました。この流体計算を様々な条件で実施すれば、貯留層の条件に依存したCO2の貯留量や、CO2の流れやすさを定量的に推定できます。本研究では、50を超える異なった貯留層条件の下で、CO2と水の挙動を計算しました(例えば図c, 図d)。その結果、CO2の貯留量(飽和度)は、キャピラリー数※3と、水とCO2の粘性比の2つのパラメータで決定できることが明らかになりました。キャピラリー数と粘性比は、貯留層の状態やCO2の圧入方法で決定されます。つまり、本研究で開発した手法を用いれば、CO2を効率的に貯留することのできる貯留層条件を明らかにできます。さらに今回の手法を用いてCO2の圧入プロセスを工夫すれば、CO2の挙動や貯留量をコントロールできる可能性があります。
■ 効果
CO2を貯留する地層の岩石(デジタル岩石モデル;図a)があれば、本研究で開発した手法を適用することで、その地層に最も多くのCO2を貯留できる条件を明らかにすることができます。
本研究で開発した手法を用いれば、正確に貯留層内のCO2の挙動を把握できるため、安全なCO2地中貯留にも貢献することができます。
本手法を用いれば、CO2を圧入する前に、CO2地中貯留で削減できるCO2の量を、これまでより正確に評価することができます。
■ 今後の展開
今回の研究では、2種類の岩石に対して本手法を適用し、最適な貯留条件を明らかにすることに成功しました。今後は、実際のCO2貯留サイトで取得した様々な岩石に対して、本研究で開発した手法を適用したいと考えています。さらに本研究で開発した手法を用いて、CO2の挙動をコントロールすることで貯留層を有効に利用し、安全なCO2貯留に貢献したいと考えています。
I2CNER CO2貯留研究部門では、大気中のCO2削減を目的として、安全にCO2を地下貯留するための技術開発を行っています。今回の研究のように貯留層内のCO2の挙動を予測するモデリング手法を開発するだけでなく、圧入したCO2をモニタリングする技術の開発も行い、時々刻々と変化する貯留層の状態を正確に把握することを目指しています。これにより、効率的で安全なCO2の貯留が可能となると考えられます。
■ 論文
タイトル:Characterization of immiscible fluid displacement processes with various capillary numbers and viscosity ratios in 3D natural sandstone
著 者:辻 健、蒋 飛(九州大学)、Kenneth Christensen(ノートルダム大学)
掲載誌:Advances in Water Resources (doi:10.1016/j.advwatres.2016.03.005)
■ 用語解説
※1 間隙:岩石は粒子の集合体で構成され、その粒子の間にある隙間のこと。CO2を圧入する貯留層では、岩石の全体の体積の20%ほどは間隙である。CCSでは、この間隙の中にCO2を貯留する。
※2 格子ボルツマン法(LBM):流体計算手法の一つ。この手法を使えば、複雑な形状をした間隙を流れる水やCO2の挙動を計算できる。
※3 キャピラリー数:流体の粘性係数、流速、表面張力で計算できるパラメータである。https://research-er.jp/articles/view/45333
再生核研究所声明 56(2011.04.06): アースデイ の理念
先ず、アースデイの概念であるが、グーグルで検索すると、環境関連の会議で、環境問題についての討論集会、環境のかかえる問題に対して人びとに関心をもってもらおう、 地球環境を守る意思表示をする国際連帯行動 などから、地球環境を大事にしようという概念が 鍵となっているようである。
そこで、地球について改めて、考察し、かけがいのない地球 に想いを致し、元祖生命体における人類の使命(再生核研究所声明 41:世界史、大義、評価、神、最後の審判)を自覚するように 訴えます。
広大な宇宙空間で、地球のように 生命が繁茂し、人間のような ある程度の精神作用や自由意志を有する高等生物が生息する天体は 未だ見つかっていない。 このことからも、既に 地球が広大な宇宙の中で、かけがいのない存在 であることが分かる。 人類が存在して、初めて、全てのことは始まるから、人類の生存は 最も大事な ことになる(再生核研究所声明13)。 雄大な生態系において、人類はその頂点に位置していて、自由意志と能力によって、地球や生態系に重大な影響を与えている。 実際、人類が望めば、原爆などで地球を破壊し、生命の絶滅も可能であろう。しかしながら、実は、人類の自覚が無ければ、このままでも 生態系が破壊され、少なくとも人類絶滅にいたるのは 物理的にも 容易に想像される。
実際、地球外から地球を見れば、人類が如何に自然と生態系を破壊して来たかが、良く理解できる。人類こそ、地球の生態系を蝕む、がん細胞のような存在であることを しっかりと理解する必要がある。がん細胞が増殖すれば、生態系は乱され、やがて がん細胞すら存在しえなくなるのは明らかである。
このような観点から、地球環境の保全、特に生態系の保全に特別な想いを致すのが、アースデイの理念 でなければならないと考える。
生きている地球が、地震などを起こすのは道理である。 地球と仲良く生きるとは、地震などにも柔軟に対応できる生き方をするということである。母なる地球が在って、豊かな生態系が在って、はじめて人類の生存の基礎ができるのである。 それらの持続可能な在りようを追求するのが、元祖生命体の代表である人類の 真に崇高な使命である。大義である。
生態系の在りようは 多様性によって裏付けられているが、その実体は未だ 人知の及ばない領域とも言えるから、人類は謙虚になって、
1) 人類の立ち入らない島や、地域の制定
2) あらゆる生物種の保存
に努力するように訴える。 人生で確かなこととは 生きて存在しなければ何も始まらない (生命の基本定理) ということであり、生態体系の保存に心すべきであり、元祖生命体の進化を見守りたい。 また、広い存在領域の確保のためにも、地球外への進出も企てたい(再生核研究所声明32)
以 上
再生核研究所声明 268(2015.12.29): 新しい天気地図、行政地図の作成を提案する
気づいてみると 誠に不思議な 怠慢とも言える事実ではないだろうか。天気予報など原則的には 県単位で予想などが報じられている。いわば、政治、行政上の区割りに 自然現象の気象の情報が纏められていることになる。当然、それでは 区割りにずれや食い違いが 生じるのは当たり前と言える。他方、気象状況は今でも、食品店や食堂、さまざまな行事上, 仕事の段取りなどなど 生活に大きな影響を与え、正確な情報に対する要望は増している。
そこで、気象の状況に合う新しい、良い天気地図を作成して、その地図、区割りで、気象情報を流すように考えたら良いのではないだろうか。
過去の気象の実情によって 区域を分類するということである。その際、10進法の考えを採用して、大きな枠組みを定め、次にはその一つの枠組みを更に細分し、同様に更に細分して、段々に局所的な部分の情報を詳しく与える方式の採用を考えたい。概ね4段階の細分くらいが良いのではないだろうか。
区域は 固定する必要もなく、流動的に変化させることも 最早可能で、実用化できるのではないだろうか。
大局の情報から、細分地域の情報、それらは放映時間や局の状態、時間帯などで調整して行くと考える。 このような新しい区割りで より正確な気象情報が扱われ、気象情報はより活用できるようになるのではないだろうか。 関係機関に ご検討をお願いし、提案致します。― ある天気の情報から、任意の場所と時刻の 天気予報が可能なソフトなども将来できるのでは。
このように発想すると、はたして、現在ある、行政上の区割り、行政上適切であるかという問題が生じる。行政区域はもちろん、歴史、文化、伝統などの上に存在するものであるが、過去の経緯で、おかしな区割りになっていて実際には不都合な状況が多々存在するのではないだろうか。こちらは天気地図作成よりは時間が掛かるであろうが、 検討することを考える余地があるのではないだろうか。検討を提案したい。― もはや領土争いを起こす時代ではなく、そこに住む人びとが 暮らしやすい区画割が 上手く考えられる時代ではないだろうか。
以 上
再生核研究所声明224(2015.4.21)
郵便ポストの適正配置を求める提案 ― ゴミの無責任な投棄を止めよう
(これは 新緑美しい山間の道を散歩しながら、バイクでの郵便配達の様子を拝見して考えが湧いたものである。平凡な声明が、世に実際的に貢献すれば良いと考えた。)
世の中の人間関係の多くの問題は、次の 公正の原則 で概ね解決できると考えて再生核研究所声明の原型が始められた:
再生核研究所声明 1 (2007/01/27):美しい社会はどうしたら、できるか、 美しい社会とは:
最近の世相として,不景気・政界・財界・官界・大学の不振,教育の混迷,さらにニューヨークのテロ事件,アフガン紛争,パレスチナ問題と心痛めることが多いことです.どうしたら美しい社会を築けるでしょうか.一年半も前に纏めた次の手記はそれらのすべての解決の基礎になると思いますが,如何でしょうか.
平成12年9月21日早朝,公正とは何かについて次のような考えがひらめいて目を覚ました.
1) 法律,規則,慣習,約束に合っているか.
2) 逆の立場に立ってみてそれは受け入れられるか.
3) それはみんなに受け入れられるか.
4) それは安定的に実現可能か.
これらの 「公正の判定条件」 の視点から一つの行為を確認して諒となれば それは公正といえる.
現在,社会の規範が混乱し,不透明になっているように思うが,公正の原則 を確認して,行動していけば ―― これは容易なことではないが ―― 世の中は はるかに明るくなり,多くの混乱は少なくなると思いますが如何でしょうか.
また,こういうことを考える教育は,人間関係や社会生活の基本的な在り方を明らかにし,環境の保全などにも貢献すると思います.(以下略。)
そこで、今回は 極めて具体的に、各家庭で設置されている 郵便受けの設置場所についての検討を広く訴えたい。 郵便配達の方の立場を考えて、自分たちに都合の良い場所に 郵便受けの設置を考えるだけではなく、配達する人の立場も考えて 設置して 配達し易い様に考えようということである。 山間部等あまりに深く入り込んでいたり、 庭でも広く、奥深くに設置されていて、 配達する人の労苦、複雑さに驚かされている。 多くは バイクでの配達のようであるが、バイクでの観点も考えて、 より便利な設置を再検討したい。 郵便物を受け取る人も 配達する人も 楽しい状況になるように 配慮したい。
ついでに 余りにも当たり前のことであるが、美しい山や川に、 街に、 ゴミが捨てられていて、哀しくなる場面は 結構多い。極めて残念である。 美しい街、自然に相応しいものではない と常日頃繰り返し、思われるので、お互いに注意を換気したい。
美しい新緑の季節、自然を愛でて浩然の気を養いたい ― 再生核研究所声明223(2015.4.14) 人生の目的は、自然を愛でて楽しみ、ともに喜び合うこと ― 二十一世紀の壮大なロマン 真実(播磨屋助次郎著)を読んで。
以 上
追記:
こうぜんのき【浩然の気】の意味 - 国語辞書 - goo辞書
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こうぜんのき【浩然の気】とは。意味や解説、類語。《「孟子」公孫丑上から》1 天地にみなぎっている、万物の生命力や活力の源となる気。2 物事にとらわれない、おおらかな心持ち。
(世界宗教用語大事典
こうぜんのき 【浩然の気】
『孟子・公孫丑上』に「我善く吾が浩然の気を養う」とあるのによる。天地間に充満している非常に大きく強い気(至大至剛の気)をいう。自分の行動が正しいと、この気が身中に満ち、不屈の道徳的勇気となるとする。浩気とも。明け方近くの清澄な大気をも意味し、呼吸法とも関係し、修養法ともされる。)








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