2015年12月7日月曜日

再生核研究所声明260 (2015.12.07) 受験勉強、嫌な予感がした ― 受験勉強が過熱化した場合の弊害

再生核研究所声明260 (2015.12.07) 受験勉強、嫌な予感がした ― 受験勉強が過熱化した場合の弊害

進路の相談を受けて、数日、大学受験について余計な危惧が心に広がって気になって来たので書き留めて置きたい。良く状況を調べた訳ではないので、軽く考えて頂きたい。
受験勉強が過熱化した場合の弊害のことである。ある相当有名な国立大学では、 東京出身者が入学者全体の85%を超えたということ、同じように日本の代表的な国立大学の入学者が特殊な高校や予備校で特訓を受けた生徒の入学者が大きな割合を占めているという。 また、かつて受験指導で有名な教授に伺ったところによれば、地方で普通の教育を受けた者が有名大学に入るのは至難なことと、組織を含めた自らの持つ情報の優秀さと指導のコツの良さに言及していた事が奇妙に気になる。要するに、今や、特殊な教育を受けた者でないと有名大学に入学できない状況があるように見える。― これは経済力や環境の良さも大きく左右しているものとも言える。 しかし、これに対しては、どんな入試でも優秀な者は良い大学に入れるから何も心配ないとの羨ましい人の言葉もある。
そこで危惧とは、

1) みずみずしい感覚を有する青少年の 健全な成長を 偏った知識の詰め込みや解法の技術の特訓のような勉強が歪めはしないか、真理を求めたいという好奇心を疎外しないか、
2) 創造性豊かな生徒の才能が 活かせない状況はないか、
入試のような勉強が 必ずしもいろいろな才能を持つ者の育成に適当ではない面があるのではないだろうか、 もちろん、基礎力の確立は当然必要であるが、行き過ぎると である。
3) 優秀な者が型にはまった勉強や入試に反感を懐き、高校を中退したり、先生と上手く行かない例は 世に結構多い現実、
4) 特殊な才能や、特訓を受けた者が集中する大学、組織は良い面もあるが、他方、悪い面も多くあるのではないだろうか、
5) 厳しい入試を乗り越えて希望の大学に入学した者の その後、必ずしも良い人生を送っているようには見えない場合が結構多く見られ、入試がマイナスの影響を与えている状況も多いのではないだろうか。 上手く学歴社会(学校歴社会)を乗り越えた者でも 人生で成功とは言えない状況は 世に多いのでは?
6) 入試の勉強が 逆に人生でマイナスに働いているような状況は 結構多く見られる、
7) 危惧の念とは、やりすぎで いわばマイナスになっている面が 相当多いのではないかとの念である、

等等である。 なんでも程々が良いのではないだろうか。 もちろん、修行の時代が有っても良いだろうが。 教育については下記も参照:

再生核研究所声明9:天才教育の必要性を訴える
再生核研究所声明17:教育界の改革を求める
再生核研究所声明20:大学入試センター試験の見直しを提案する
再生核研究所声明 44:梅の木学問と檜学問-日本の研究者育成についての危惧
再生核研究所声明 60:非凡な才能を持つ少年・少女育成研究会
再生核研究所声明76(2012.2.16):教育における心得 ― 教育原理
再生核研究所声明91(2012.5.20):創造性についての一考察
再生核研究所声明102(2012.10.10):成果主義の弊害について
再生核研究所声明147(2013.12.27):創造性についての 第二考察
再生核研究所声明152(2014.3.21):研究活動に現れた注目すべき現象、研究の現場
再生核研究所声明173(2014.8.6):愛が無ければ観えない
再生核研究所声明187(2014.12.8):工科系における数学教育について
再生核研究所声明218(2015.3.19):興味、関心、感動;人間とは
再生核研究所声明254 (2015.11.2):愛が無ければ観えない ― について、 更に

以 上






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