「万物の根源(アルケー)は数である」
そう言ったのは、紀元前6世紀頃のギリシア人哲学者ピタゴラスだそうだ。
彼の生きていた時代、数学とは哲学であり宗教であった。ピタゴラスが哲学や数学、天文学など後世に与えた影響は計り知れないが、彼の本当の人物像については伝説のベールにつつまれている。
輪廻転生についての思想を持ち、秘密結社ピタゴラス教団をも摂理した彼は後に古典ギリシアの魔術師とも呼ばれた。しかしながら、彼自身が書いた書物は伝承されておらず、今日知られている彼の業績のほとんどは、彼の死後500年以上もたったローマ帝国の時代の記録である。
しかし、彼の思想や知識も天から授かったものではない。古代ギリシアの天文学は、惑星の名前から分かるようにバビロニア天文学に基礎をおいていたのは疑いもない事実とされている。ピタゴラスが若かりし日にはバビロニアやエジプトを訪れたという話があるのは、全くのでっち上げと言う訳ではなく、知識の由来がエジプト・メソポタミアにあったことを如実に表している。
ちなみに、数学で有名なピタゴラスの定理(直角三角形の3辺の長さの関係を表す等式)についても、1000年以上も前のバビロニアの粘土板にその記録があるという。
ただ、バビロニアにおける天文学は、天体の動きの計算と予言を目的とした占星術が関心事であったのに対し、古代ギリシアでは宇宙理論というものに関心をおいていた。一般に古代ギリシアの天文学と言えば、神話と結び付いた星座の話や地動説、天動説といったものが関の山かもしれないが、古代ギリシアの宇宙論というのは哲学や宗教に近いかもしれない。
その宇宙理論とやらで
古代ギリシア人は何を解明したかったのだろうか?
それは きっと
すべてのはじまり ・・・についてだ。
紀元前6~5世紀というと、新バビロニアがユダ王国を滅ぼした後、アケメネス朝ペルシアが興隆してくる時代である。そうした激動の時代にありながら、古代ギリシアの知識人達は“すべてのはじまり”について考察していた。バビロニア、アッシリア、カナン、パレスチナの神話で語られる人間の創造や世界の創造物語からもう一歩踏み込んだ考察をしていたのだ。
神が世界を想像する前・・・
神はどこからきたのか?
彼らの宇宙に関する知識を考えると、こうした疑問を宇宙のはじまりにもとめたのは自然の流れだったかもしれない。
そこで奇妙な概念が生まれた。
絶対なるもの、すべてを超越している無限なる存在、
つまり プラトンの「一なるもの」 である
ギリシア哲学や天文学の発展をみると、ピタゴラスやプラトンがオリエント世界から学んでいたという伝説からも、アレキサンダー大王が東方遠征をする以前に、ヘレニズム的文化が形成されつつあったのは確実だろう。
さらに、
こうした時代にギリシアの哲学者が
絶対的な「一なるもの」の“存在”を求めたのは、
唯一神ヤハウェからインスピレーションを受けたのかもしれない。
“存在”という概念も哲学的に重要である。
最初が無であるならば存在はどこから来るのだろうか・・・という疑問だ。
宗教と哲学の境界線はかなり曖昧なところもあり、ウィキペディアの「ヤハウェ」の項目には以下のように書いてある。
キリスト教においてもヤハウェは神の名と考えられる場合がある。すでに『ヨハネによる福音書』で「エゴー・エイミ・ホ・オーン」(「私は在る」の意)という言葉はイエスと結び付けられ、その神性を現す意図で多用されている。「私は在る」とは『出エジプト記』第3章第14節においてヤハウェが名乗ったもので、イエスはこれを多用して自分がヤハウェと密接な関係にある事を暗に示したのである。正教会において、イエスのイコン、とりわけ自印聖像においてその光輪にギリシア文字 "Ο・Ω・Ν"(ὁ ών 『在るもの』 )を記す習慣もこれに関連する。
ふむ。
「“一なるもの”の存在」というコンセプトは、プラトン、ピタゴラス、そしてアリストテレスの他にも以下のようなギリシア哲学者によって考察されている。まぁ、ウィキの要約なのだが・・・
ヘラクレイトス(紀元前540年頃~紀元前480年頃)
ギリシア人の哲学者、自然哲学者。万物は流転していると考え、自然界は絶えず変化していると考えた。しかし一方で、その背後に変化しないもの、ロゴスを見ている。ロゴスはこのようなものとしてあるが、人間はそれを理解しない
クセノパネス(紀元前570年頃~紀元前470年頃)
存在するものの構成要素は4つであり、世界は数において無限であるが時間がたち変化することで無限になるわけではない、と主張した。神の本性は球状であり、人間と少しも似たところがない。そして全体が知性であり思慮であって永遠なものである。
パルメニデス(紀元前500年頃~?)
理性(ロゴス)が真理の規準であって、感覚は精確なものではない。感覚で捉えられる世界は生成変化を続けるが、そもそも「変化」とは在るものが無いものになることであり、無いものが在るものになることである。理性で考えれば「無」から「有」が生じたり、「有」が「無」になるのは矛盾である。
前回のブログでも書いたが、カバラ思想はこうしたギリシア哲学の流れをくむプラトン系の流出説や「一なるもの」という思想の影響を受けている。セフィロトの樹の体系にもこうした思想が含まれている。
ではカバラ思想の創世記を少し見てみよう。
カバラ神秘思想の創世記
イサク・ルーリア(1534年~1572年)のカバラ教義によると次のようなプロセスがおこったそうだ。ただし、実際には前述のピタゴラスから時代がいきなり2000年も飛んでいる事に留意しておく必要があるだろう。
第一段階 ツィムツーム(Zhimtzum)
はじめにあるのは“ある”のは絶対的な“無(エイン)”である。「無が在る」というのは何ともおかしな表現かもしれない。上述のパルメニデスの言葉を拝借すれば「無」から「有」が生じるのは理性で考えると矛盾するのだが、そこは神の叡智そのもので、人智の及ばない世界だ。
「はじまり」に対してギリシア神話ではカオス(混沌・無秩序)であったが、ピタゴラス派では宇宙に対して「調和のとれた、秩序のある」を意味する「コスモス」という言葉を用いている。この無(エイン)は数字のゼロ(0)で表現されることになる。
ピタゴラスが言ったとされる「万物の根源(アルケー)は数である」という言葉を思い出すと、なるほど確かにゼロ(無)という数字が“在った”というわけだ。
創世記において神が最初に行ったのは自身の収縮ツィムツームによって、無限の力(光)エイン・ソフを制限することだ。これによって原子の空間が生み出され、そこに神を原型としたアダム・カドモンが創造される。
無限(エイン・ソフ)は2つのゼロ(00)で表されている。これは至高なる神のことで、ダブルオーからも分かる通り無限の存在だ。クセノパネスの言及を拝借すれば「神の本性は球状であり、人間と少しも似たところがない」とあるが、エイン・ソフには特徴もなく“何ものでもない”。潜在的な原初の光であり、はじまり、原点だ。その神は、自らを啓示しようとしたことにより世界を創造することになるわけだ。
無(ゼロ)と無限という概念はカバラでは0と00で表しているが、もともと無限とは哲学的な概念で数ではない。・・・とはいっても数学でつかっているわけだし、カバラにおいても0を2つ使って表現されている。
ネットでも実は無限とゼロについて
「ゼロに無限大を掛け算したらいくつになりますか?」という質問に対して議論があった。
大多数の意見は∞は数としては扱えないというものだったが、そのうちの一つの回答を以下に抜粋した。
まず、「無限大」について、思いきりぶっちゃけた話をしましょう。
仮に、これは“数”である、と仮定します。そうすると、
1×∞=∞ …は正解ですね。
2×∞=∞ …も正解。
しかし、
1×∞=2×∞
だとして、両辺を「∞」で割った
1=2 …は成立するでしょうか?
…と、このような矛盾が生まれてしまうのです。
よって、「∞」は“数”として存在できません。
ただし、論理学の場合だと事情が異なります。
「存在する」という状態に対し、「∞」は「真」で、
「ゼロ」は「偽」となります。
そして、論理上の積は両方の要素が「真」同士でなければ
ならないので、この場合の結果は「偽」となります。
つまりこの問題は、
数学的答え…(不成立)
論理学的答え…ゼロ
という事になります
ふむ。
なるほど・・・といってもハッキリ言って僕にはこの回答を理解するだけでも少々キツイ。
同じ議論が∞を0に置き換えても同じ議論が出来ないだろうか?つまり
1×0 =0 …は正解ですね。
2×0 =0 …も正解。
しかし、
1×0=2×0
だとして、両辺を「0」で割った
1=2 …は成立するでしょうか?
・・・
しかし、「ゼロ(0)は数字でない」・・・とは言えない???
ん?
いや、ゼロって・・・
数字だよね。
え?
存在しているのに存在していないもの・・・
存在していないことを表すために存在している数字?
ワケが分からなくなってきた。。。ヤバイな
とても興味深く読みました:ゼロ除算の発見4周年を超えました:
\documentclass[12pt]{article}
\usepackage{latexsym,amsmath,amssymb,amsfonts,amstext,amsthm}
\numberwithin{equation}{section}
\begin{document}
\title{\bf Announcement 412: The 4th birthday of the division by zero $z/0=0$ \\
(2018.2.2)}
\author{{\it Institute of Reproducing Kernels}\\
Kawauchi-cho, 5-1648-16,\\
Kiryu 376-0041, Japan\\
}
\date{\today}
\maketitle
The Institute of Reproducing Kernels is dealing with the theory of division by zero calculus and declares that the division by zero was discovered as $0/0=1/0=z/0=0$ in a natural sense on 2014.2.2. The result shows a new basic idea on the universe and space since Aristotelēs (BC384 - BC322) and Euclid (BC 3 Century - ), and the division by zero is since Brahmagupta (598 - 668 ?).
In particular, Brahmagupta defined as $0/0=0$ in Brāhmasphuṭasiddhānta (628), however, our world history stated that his definition $0/0=0$ is wrong over 1300 years, but, we showed that his definition is suitable.
For the details, see the references and the site: http://okmr.yamatoblog.net/
We wrote a global book manuscript \cite{s18} with 154 pages
and stated in the preface and last section of the manuscript as follows:
\bigskip
{\bf Preface}
\medskip
The division by zero has a long and mysterious story over the world (see, for example, H. G. Romig \cite{romig} and Google site with the division by zero) with its physical viewpoints since the document of zero in India on AD 628. In particular, note that Brahmagupta (598 -668 ?) established the four arithmetic operations by introducing $0$ and at the same time he defined as $0/0=0$ in
Brhmasphuasiddhnta. Our world history, however, stated that his definition $0/0=0$ is wrong over 1300 years, but, we will see that his definition is right and suitable.
The division by zero $1/0=0/0=z/0$ itself will be quite clear and trivial with several natural extensions of the fractions against the mysterously long history, as we can see from the concepts of the Moore-Penrose generalized inverses or the Tikhonov regularization method to the fundamental equation $az=b$, whose solution leads to the definition $z =b/a$.
However, the result (definition) will show that
for the elementary mapping
\begin{equation}
W = \frac{1}{z},
\end{equation}
the image of $z=0$ is $W=0$ ({\bf should be defined from the form}). This fact seems to be a curious one in connection with our well-established popular image for the point at infinity on the Riemann sphere (\cite{ahlfors}). �As the representation of the point at infinity of the Riemann sphere by the
zero $z = 0$, we will see some delicate relations between $0$ and $\infty$ which show a strong
discontinuity at the point of infinity on the Riemann sphere. We did not consider any value of the elementary function $W =1/ z $ at the origin $z = 0$, because we did not consider the division by zero
$1/ 0$ in a good way. Many and many people consider its value by the limiting like $+\infty $ and $- \infty$ or the
point at infinity as $\infty$. However, their basic idea comes from {\bf continuity} with the common sense or
based on the basic idea of Aristotle. --
For the related Greece philosophy, see \cite{a,b,c}. However, as the division by zero we will consider its value of
the function $W =1 /z$ as zero at $z = 0$. We will see that this new definition is valid widely in
mathematics and mathematical sciences, see (\cite{mos,osm}) for example. Therefore, the division by zero will give great impacts to calculus, Euclidean geometry, analytic geometry, differential equations, complex analysis in the undergraduate level and to our basic ideas for the space and universe.
We have to arrange globally our modern mathematics in our undergraduate level. Our common sense on the division by zero will be wrong, with our basic idea on the space and the universe since Aristotle and Euclid. We would like to show clearly these facts in this book. The content is in the undergraduate level.
\bigskip
\bigskip
{\bf Conclusion}
\medskip
Apparently, the common sense on the division by zero with a long and mysterious history is wrong and our basic idea on the space around the point at infinity is also wrong since Euclid. On the gradient or on derivatives we have a great missing since $\tan (\pi/2) = 0$. Our mathematics is also wrong in elementary mathematics on the division by zero.
This book is an elementary mathematics on our division by zero as the first publication of books for the topics. The contents have wide connections to various fields beyond mathematics. The author expects the readers write some philosophy, papers and essays on the division by zero from this simple source book.
The division by zero theory may be developed and expanded greatly as in the author's conjecture whose break theory was recently given surprisingly and deeply by Professor Qi'an Guan \cite{guan} since 30 years proposed in \cite{s88} (the original is in \cite {s79}).
We have to arrange globally our modern mathematics with our division by zero in our undergraduate level.
We have to change our basic ideas for our space and world.
We have to change globally our textbooks and scientific books on the division by zero.
\bibliographystyle{plain}
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S. Saitoh, A reproducing kernel theory with some general applications,
Qian,T./Rodino,L.(eds.): Mathematical Analysis, Probability and Applications - Plenary Lectures: Isaac 2015, Macau, China, Springer Proceedings in Mathematics and Statistics, {\bf 177}(2016), 151-182. (Springer) .
再生核研究所声明371(2017.6.27)ゼロ除算の講演― 国際会議 https://sites.google.com/site/sandrapinelas/icddea-2017 報告
1/0=0、0/0=0、z/0=0
http://ameblo.jp/syoshinoris/entry-12276045402.html
1/0=0、0/0=0、z/0=0
http://ameblo.jp/syoshinoris/entry-12263708422.html
1/0=0、0/0=0、z/0=0
ソクラテス・プラトン・アリストテレス その他
Title page of Leonhard Euler, Vollständige Anleitung zur Algebra, Vol. 1 (edition of 1771, first published in 1770), and p. 34 from Article 83, where Euler explains why a number divided by zero gives infinity.
私は数学を信じない。 アルバート・アインシュタイン / I don't believe in mathematics. Albert Einstein→ゼロ除算ができなかったからではないでしょうか。
ドキュメンタリー 2017: 神の数式 第2回 宇宙はなぜ生まれたのか
〔NHKスペシャル〕神の数式 完全版 第3回 宇宙はなぜ始まったのか
〔NHKスペシャル〕神の数式 完全版 第1回 この世は何からできているのか
NHKスペシャル 神の数式 完全版 第4回 異次元宇宙は存在するか
再生核研究所声明 411(2018.02.02): ゼロ除算発見4周年を迎えて
ゼロ除算の論文
Mysterious Properties of the Point at Infinity
Mysterious Properties of the Point at Infinity
Algebraic division by zero implemented as quasigeometric multiplication by infinity in real and complex multispatial hyperspaces
Author: Jakub Czajko, 92(2) (2018) 171-197
WSN 92(2) (2018) 171-197
Author: Jakub Czajko, 92(2) (2018) 171-197
WSN 92(2) (2018) 171-197
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