ノーベル平和賞にNGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」 10月6日 18時14分 ことしのノーベル平和賞に、核兵器の廃絶を目指して活動し「核兵器禁止条約」が採択されるのに貢献した国際NGO「ICAN」=「核兵器廃絶国際キャンペーン」が選ばれました。 ノルウェーのオスロにある選考委員会はことしのノーベル平和賞に、核兵器廃絶を目指して活動してきたスイス・ジュネーブに本部を置く国際NGO「ICAN」=「核兵器廃絶国際キャンペーン」を選んだと発表しました。ICAN(アイキャン)は2007年にオーストラリアのメルボルンで結成され、日本やアメリカ、イギリスなど各国のNGOが加わって、日本被団協=日本原水爆被害者団体協議会や各国の平和団体と連携し、核兵器廃絶を目指して政府代表への働きかけや一般に向けたキャンペーンを進めてきました。この間、2013年からノルウェーやメキシコなどで3回にわたって各国の政府代表が参加して開かれた「核兵器の非人道性を検証する国際会議」では、証言活動を続けてきた被爆者たちと協力しながら、核兵器が壊滅的な被害をもたらす非人道的な兵器であるという認識を国際社会に広めるのに貢献しました。そして核兵器についての既存の国際秩序で、アメリカやロシアなど5か国に保有を認める代わりに削減の義務を課したNPT=核拡散防止条約のもとでは核兵器はなくならないとして、条約で禁止することが必要だと各国政府に対して働きかけを進めました。こうした活動の結果、ニューヨークの国連本部で核兵器の開発や保有などを法的に禁止する「核兵器禁止条約」が議論されることになり、ことし7月、国連加盟国の6割を超える122の国と地域の賛成で採択され、ICANは各国代表から採択に貢献したと評価されています。 核兵器禁止条約とは ことし7月、核兵器の開発や保有などを法的に禁止する核兵器禁止条約が122の国と地域が賛成して採択されました。核兵器禁止条約は、核兵器の開発や保有、それに使用などを法的に禁止する初めての国際条約で、ことし3月から核兵器の非保有国が中心となって交渉会議が進められてきました。交渉会議では、日本被団協の藤森俊希事務局次長らがスピーチを行ったほか、国連総会に核兵器禁止条約の実現を求めるおよそ300万人分の署名を提出し、条約の採択を後押ししました。しかしアメリカなどの核兵器の保有国や日本をはじめとする核の傘で守られた国々は「現実的な核軍縮にはつながらない」などとして条約に署名していません。
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