2015年3月16日月曜日

Pythagorean theorem

Pythagorean theorem
2015年03月16日(月)NEW !
テーマ:数学
ピタゴラスの定理
レオナルド・ダ・ヴィンチによるピタゴラスの定理の証明。橙色のついた部分を 90 度回転し、緑色の部分は裏返して橙色に重ねる。
視覚的証明
ピタゴラスの定理(ピタゴラスのていり、英: Pythagorean theorem)は、直角三角形の3辺の長さの関係を表す等式である。三平方の定理(さんへいほうのていり)、勾股弦の定理(こうこげんのていり)とも呼ばれる。
目次 [非表示]
1 概要
2 ピタゴラス数
2.1 ピタゴラス数の性質
2.2 Jesmanowicz 予想
3 一般化
3.1 角の一般化
3.2 指数の一般化
3.3 次元の一般化
4 ピタゴラスの定理の証明
4.1 相似による証明
4.2 正方形を用いた証明
4.3 内接円を用いた証明
4.4 オイラーの公式を用いた証明
4.5 三角関数の微分公式を用いた証明
4.6 三角関数の加法定理を用いた証明
4.7 冪級数展開を用いた証明
4.8 回転行列を用いた証明
4.9 三角関数と双曲線関数を用いた証明
5 ピタゴラスの定理の逆の証明
5.1 ピタゴラスの定理に依存しない証明
5.2 同一法を用いた証明
5.3 背理法を用いた証明
5.4 対偶法を用いた証明
5.5 転換法を用いた証明
5.6 余弦定理を用いた証明
5.7 ベクトルを用いた証明
6 脚注
6.1 注釈
6.2 出典
7 参考文献
8 関連項目
9 外部リンク
概要[編集]
平面幾何学において直角三角形の斜辺の長さを c、他の2辺の長さを a, b とすると、
a2 + b2 = c2
が成り立つという定理である[1][2][3]。
ピタゴラスの定理によって、直角三角形をなす3辺の内、2辺の長さを知ることができれば、残りの1辺の長さを知ることができる。例えば、直交座標系において原点と任意の点を結ぶ線分の長さは、ピタゴラスの定理に従って、その点の座標成分を2乗したものの総和として表すことができる[注 1]。このことは2次元の座標系に限らず、3次元の系やより大きな次元の系についても成り立つ。この事実から、ピタゴラスの定理を用いて任意の2点の間の距離を測ることができる。このようにして導入される距離はユークリッド距離と呼ばれる。
「ピタゴラスが直角二等辺三角形のタイルが敷き詰められた床を見ていて、この定理を思いついた」など幾つかの逸話が知られているものの、この定理はピタゴラスが発見したかどうかは分からない。バビロニア数学のプリンプトン322や古代エジプト[4]などでもピタゴラス数については知られていたが、彼らが定理を発見していたかどうかは定かではない。
中国古代の数学書『九章算術』や『周髀算経』でもこの定理が取り上げられている。中国ではこの定理を勾股定理、商高定理等と呼び、日本の和算でも中国での名称を用いて鉤股弦の法(こうこげんのほう)等と呼んだ[5]。三平方の定理という名称は、敵性語が禁じられていた第二次世界大戦中に文部省の図書監修官であった塩野直道の依頼を受けて、数学者末綱恕一が命名したものである[6]。
ピタゴラス数[編集]
a2 + b2 = c2 を満たす自然数の組 (a, b, c) をピタゴラス数またはピタゴラスの三つ組数 (Pythagorean triple) という。特に、a, b, c が互いに素であるピタゴラス数 (a, b, c) を原始的 (primitive) あるいは素 (prime) であるといい、そのようなピタゴラス数は原始ピタゴラス数 (primitive Pythagorean triple) などと呼ばれる。全てのピタゴラス数は、原始ピタゴラス数の正の整数倍により得られる。
ピタゴラス数 (a, b, c) が原始的であるためには、3つのうち2つが互いに素であることが必要十分である。
ピタゴラス数の性質[編集]
自然数の組 (a, b, c) が原始ピタゴラス数であるためには、ある自然数 m, n が
m と n は互いに素
m > n
m - n は奇数
を満たすとして、
(a, b, c) = (m2 - n2, 2mn, m2 + n2) or (2mn, m2 - n2, m2 + n2)
であることが必要十分である。上記の (m, n) は無数に存在し、2mn は重複しないから、原始ピタゴラス数は無数に存在する。これにより、すべての原始ピタゴラス数を重複なく見つけ出すことができる。
例えば
(m, n) = (2, 1) のとき (a, b, c) = (3, 4, 5)
(m, n) = (3, 2) のとき (a, b, c) = (5, 12, 13)
(m, n) = (4, 1) のとき (a, b, c) = (8, 15, 17)
である。
原始ピタゴラス数 (a, b, c) について、次のような性質も成り立つ。
a または b は 4 の倍数
a または b は 3 の倍数
a または b または c は 5 の倍数
また、一般のピタゴラス数 (a, b, c) に対して、S =
1
2
ab(直角三角形の面積)は平方数でない。
Jesmanowicz 予想[編集]
1956年に Jesmanowicz が以下の予想を提出した。
(a, b, c) を原始ピタゴラス数、n を自然数とする。x, y, z が
(an)^x+(bn)^y=(cn)^z
で自然数解を持つには、
x=y=z=2
であることが必要である。
一般化[編集]
角の一般化[編集]
詳細は「余弦定理」を参照
第二余弦定理
c2 = a2 + b2 - 2ab cos C
はピタゴラスの定理を C =
π
2
= 90° → cos C = 0 の場合として含む。 つまり、第二余弦定理はピタゴラスの定理を一般の角度について拡張した定理になっている。
指数の一般化[編集]
詳細は「フェルマーの最終定理」を参照
指数の 2 の部分を一般化すると
an + bn = cn
となる。n = 2 の場合は自明でない(つまり a, b, c のいずれも 0 でない)整数解は実質原始ピタゴラス数であり、無数に存在するが、n ≥ 3 の場合には自明でない整数解は存在しない(詳細はフェルマーの最終定理を参照)。
次元の一般化[編集]
3次元空間内に平面があるとき、その閉領域 S の面積は、yz 平面、zx 平面、xy 平面への射影の面積 Sx, Sy, Sz を用いて
S^2={S_x}^2+{S_y}^2+{S_z}^2
と表される。これは高次元へ一般化できる。
ピタゴラスの定理の証明[編集]
この定理には数百通りもの異なる証明が知られている。ここにいくつかの代表的な証明を挙げる。
以下では頂点 A, B, C からなる三角形を △ABC と表す。また、各辺 AB, BC, CA に向かい合う角をそれぞれ ∠C, ∠A, ∠B と表し、各頂点 A, B, C の対辺 BC, CA, AB の長さをそれぞれ a, b, c と表す。 頂点の記号は直角三角形 △ABC の直角が ∠C になるように与える。
相似による証明[編集]
相似を用いた証明
頂点 C から斜辺 AB に下ろした垂線の足を H とする。△ABC, △ACH, △CBH は互いに相似である。よって △ABC と △ACH の相似比より
\text{AC}:\text{AH} = \text{AB}:\text{AC} \Longrightarrow \text{AH} = { \text{AC} \times \text{AC} \over \text{AB} } = {b^2 \over c}
であり、同様に △ABC と △CBH の相似比より
\text{BH} = {a^2 \over c}
である。したがって
c = \text{AB} = \text{AH} + \text{BH} = {b^2 \over c} + {a^2 \over c}
であるから、両辺にc を掛けて
c^2=a^2+b^2
を得る。
正方形を用いた証明[編集]
正方形を用いた証明
△ABC と合同な4個の三角形を図のように並べると、外側に一辺が a + b の正方形(以下「大正方形」)が、内側に一辺が c の正方形(以下「小正方形」)ができる。
(大正方形の面積)=(小正方形の面積)+(直角三角形の面積)× 4
である。大正方形の面積は (a + b)2, 小正方形の面積は c2, 直角三角形4個の面積の合計は
{ab \over 2} \times 4 = 2ab
である。これらを代入すると、
(a+b)^2=c^2+2ab
整理して
a^2+b^2=c^2
を得る。
幾何学的な証明
Teorema de Pitágoras.Pappus1.svg
Pythagorean proof.png
『周髀算経』におけるピタゴラスの定理の証明(中国語: 句股冪合以成弦冪)
内接円を用いた証明[編集]
△ABC の面積 S は
S=\frac{ab}{2}



(1)
また △ABC の内接円の半径を r とすると
c=(a-r)+(b-r)



(2)
であり、(2) を半径 r について解くと
r=\frac{a+b-c}{2}



(3)
となる。三角形の面積 S を内接円の半径 r を用いて表すと
S={r(a+b+c) \over 2}



(4)
となる。(4) に (1), (3) を代入すると
{ab \over 2}={(a+b-c)(a+b+c) \over 4}



(5)
(5) を整理すると
a^2+b^2=c^2



(6)
が得られる。
オイラーの公式を用いた証明[編集]
三角関数は級数など(幾何以外の原理)によって定義されているものとし、二項展開など(証明に本定理を使用しない方法)によって導出された指数法則を用い、級数や微分方程式など(証明に本定理を使用しない方法)によって導出されたオイラーの公式を用いれば
\begin{align}1&=e^0=e^{i(\theta-\theta)}=e^{i\theta}e^{-i\theta}\\
&=(\cos \theta+i\sin \theta)(\cos \theta-i\sin \theta)\\
&=\sin^2 \theta+\cos^2 \theta\end{align}
または
\begin{align}
\sin^2 \theta+\cos^2 \theta
&=\left(\frac{e^{i\theta}-e^{-i\theta}}{2i}\right)^{2}+\left(\frac{e^{i\theta}+e^{-i\theta}}{2}\right)^{2}\\
&=\frac{e^{2i\theta}+e^{-2i\theta}-2}{-4}+\frac{e^{2i\theta}+e^{-2i\theta}+2}{4}\\
&=\frac{4}{4}
=1
\end{align}
もしくは、オイラーの公式から三角関数の半角の公式を導出する。
\begin{align}
\sin^2 \theta
&=\left(\frac{e^{i\theta}-e^{-i\theta}}{2i}\right)^{2}\\
&=\frac{e^{2i\theta}+e^{-2i\theta}-2}{-4}\\
&=\frac{1-\cos2\theta}{2}\\
\cos^2 \theta
&=\left(\frac{e^{i\theta}+e^{-i\theta}}{2}\right)^{2}\\
&=\frac{e^{2i\theta}+e^{-2i\theta}+2}{4}\\
&=\frac{1+\cos2\theta}{2}
\end{align}
\therefore \sin^2 \theta+\cos^2 \theta=1[7][8][9]



(1)
(1) の式はピタゴラスの基本三角関数公式 (Fundamental Pythagorean trigonometric identity) と呼ばれている[10]。
(1) の時点ですでに単位円上において本定理の成立が明らかである。 なぜならば、本定理の逆は本定理を用いずに証明可能であるし、単位円上の任意の点の座標は (cosθ,sinθ) で表せるからである[11]。 さらに、(1) は全複素平面上で成立する[12]。 ここで、前提とした △ABC について考え、∠A = θ とおけば
a = c \times \sin \theta
b = c \times \cos \theta
したがって
a^2 = c^2\sin^2 \theta



(2)
b^2 = c^2\cos^2 \theta



(3)
(2), (3) より
a^2+b^2=c^2(\sin^2 \theta + \cos^2 \theta)



(4)
(1), (4) より
a^2+b^2=c^2
が得られる[8][13]。
三角関数の微分公式を用いた証明[編集]
正弦および余弦関数を微分すれば
(\sin \theta )'=\cos \theta



(1)
(\cos \theta )'=-\sin \theta



(2)
(1), (2) および微分公式より
(\sin^2 \theta +\cos^2 \theta )'=2\sin \theta \cos \theta + 2 \cos \theta (-\sin \theta )=0
したがって
\sin^2 \theta +\cos^2 \theta =C
ここで C は定数である。θ = 0 を代入すると sin 0 = 0, cos 0 = 1 であるので、C = 1 が得られる。よって
\sin^2 \theta + \cos^2 \theta = 1



(3)
が得られる[9]。 ここで、前提とした △ABC について考え、∠A = θ とおいて、(3) および、三角関数と直角三角形の関係を考慮すれば
a^2+b^2={a^2+b^2 \over 1}={a^2+b^2 \over \sin^2 \theta + \cos^2 \theta}={a^2+b^2 \over {a^2+b^2 \over c^2}}=c^2
が得られる。
三角関数の加法定理を用いた証明[編集]
三角関数は級数など(幾何以外の原理)によって定義されているものとし、オイラーの公式など(証明に本定理を使用しない方法)によって導出された三角関数の加法定理を用いれば
1 = \cos 0 = \cos( \theta - \theta ) = \cos \theta \cos \theta + \sin \theta \sin \theta = \cos^2 \theta + \sin^2 \theta
または
\sin^2 \theta + \cos^2 \theta = \sin \theta \cos \left( \frac{\pi}{2} - \theta \right) + \cos \theta \sin \left( \frac{\pi}{2} - \theta \right) = \sin \frac{\pi}{2} =1
が得られる[14][15]。 また、加法定理を応用した三角関数の積和公式を用いて
\begin{align}
\sin^2 \theta
&= \frac{\cos(\theta - \theta) - \cos(\theta + \theta)}{2}\\
&= \frac{1 - \cos 2\theta}{2}
\end{align}
\begin{align}
\cos^2 \theta
&= \frac{\cos(\theta - \theta) + \cos(\theta + \theta)}{2}\\
&= \frac{1 + \cos 2\theta}{2}
\end{align}
したがって
\sin^2 \theta + \cos^2 \theta = 1
が得られる。 両辺に c 2 を乗算して
c^2\sin^2 \theta + c^2\cos^2 \theta = c^2
ここで、前提とした △ABC について考え、∠A = θ とおいて、三角関数と直角三角形の関係を考慮すれば
c^2 \times \left({a \over c}\right)^2 + c^2 \times \left({b \over c}\right)^2 = c^2
よって
a^2+b^2=c^2
が得られる[14]。
冪級数展開を用いた証明[編集]
三角関数は級数によって定義されているものとし、cosθ と sinθ の自乗をそれぞれ計算すると
\begin{align}
\sin^2 \theta
&=\left(\sum_{n=0}^\infty\frac{(-1)^n}{(2n+1)!}\theta^{2n+1}\right)^2\\
&=\sum_{n=0}^\infty \sum_{k=0}^n \frac{(-1)^k}{(2k+1)!} \frac{(-1)^{n-k}}{(2n-2k+1)!}\theta^{2n+2}\\
&=\sum_{n=0}^\infty \frac{(-1)^n \theta^{2n+2}}{(2n+2)!} \sum_{k=0}^{n} \binom{2(n+1)}{2k+1}\\
&=\sum_{n=1}^{\infty} \frac{(-1)^{n-1} \theta^{2n}}{(2n)!} \sum_{k=0}^{n-1} \binom{2n}{2k+1}\\
&=- \sum_{n=1}^{\infty} \frac{(-1)^{n} \theta^{2n}}{(2n)!} \sum_{k=0}^{n-1} \binom{2n}{2k+1}\\
\cos^2 \theta
&=\left(\sum_{n=0}^\infty\frac{(-1)^n}{(2n)!}\theta^{2n}\right)^2\\
&=\sum_{n=0}^\infty \sum_{k=0}^n \frac{(-1)^k}{(2k)!} \frac{(-1)^{n-k}}{(2n-2k)!}\theta^{2n}\\
&=\sum_{n=0}^\infty \frac{(-1)^n \theta^{2n}}{(2n)!} \sum_{k=0}^{n} \binom{2n}{2k}\\
&=1+\sum_{n=1}^\infty \frac{(-1)^n \theta^{2n}}{(2n)!} \sum_{k=0}^{n} \binom{2n}{2k}
\end{align}
となる[注 2]。ここで二項定理より
\begin{align}
\sum_{k=0}^{n} \binom{2n}{2k} - \sum_{k=0}^{n-1} \binom{2n}{2k+1}
&= \sum_{m = 0}^{2n} (-1)^m {2n \choose m}
&= (1 - 1)^{2n}
&= 0
\end{align}
である。したがって
\sin^2 \theta + \cos^2 \theta = 1
が得られる。 ここで、前提とした △ABC について考え、∠A = θ とおいて、三角関数と直角三角形の関係を考慮し、各辺の比を考えれば
\sin^2 \theta : \cos^2 \theta : 1=a^2:b^2:c^2
であるから
a^2+b^2=c^2
が得られる[16]。
回転行列を用いた証明[編集]
平面の原点を中心とする角 θ の回転は
R(\theta)=\begin{bmatrix}
\cos \theta&-\sin \theta\\
\sin \theta&\cos \theta
\end{bmatrix}
で表される。 R (θ) R (-θ) = I2 (単位行列)であるが[17]、この式の左辺を直接計算すると
\begin{align}
R(\theta) \cdot R(-\theta)
&=
\begin{bmatrix}
\cos \theta&-\sin \theta\\
\sin \theta&\cos \theta
\end{bmatrix}
\begin{bmatrix}
\cos \theta&\sin \theta\\
  • \sin \theta&\cos \theta
\end{bmatrix}\\
&=
\begin{bmatrix}
\cos^2 \theta+\sin^2 \theta&\cos \theta\sin \theta-\sin \theta \cos \theta\\
\sin \theta \cos \theta-\cos \theta\sin \theta&\sin^2 \theta+\cos^2 \theta
\end{bmatrix}\\
&=
\begin{bmatrix}
\sin^2 \theta+\cos^2 \theta&0\\
0&\sin^2 \theta+\cos^2 \theta
\end{bmatrix}
\end{align}
となる[18]。したがって
\sin^2 \theta + \cos^2 \theta = 1
が得られる[19]。 ここで、前提とした △ABC について考え、∠A = θ とおいて、三角関数と直角三角形の関係を考慮すれば、正弦定理より
\begin{align}
\frac{a}{\sin \theta} &= \frac{b}{\sin (\pi-\frac{\pi}{2}-\theta)} = \frac{c}{\sin (\frac{\pi}{2})}\\
\frac{a}{\sin \theta} &= \frac{b}{\cos \theta} = c
\end{align}
であるから
a^2+b^2=c^2
が得られる。
三角関数と双曲線関数を用いた証明[編集]
任意の z ∈ C に対し
\begin{align}
\sin^2 iz + \cos^2 iz
&= (i\sinh z)^2 + \cosh^2 z\\
&= \cosh^2 z - \sinh^2 z\\
&=1
\end{align}
である[20][21]。よって任意の θ ∈ C に対して
\sin^2 \theta + \cos^2 \theta = 1
が成り立つ。 ここで、前提とした △ABC について考え、∠A = θ とおいて、三角関数と直角三角形の関係を考慮すれば、連比関係より
\frac{a^2}{\sin^2 \theta} = \frac{b^2}{\cos^2 \theta} = c^2
であるから
a^2+b^2=c^2
が得られる。
ピタゴラスの定理の逆の証明[編集]
ピタゴラスの定理の逆とは、ある △ABC について以下に示すピタゴラスの定理
a^2+b^2=c^2
が成立すれば、△ABC は ∠C =
π
2
の直角三角形であるというものである。以下に証明を示す。
ピタゴラスの定理に依存しない証明[編集]
ピタゴラスの定理に依存しない証明
a 2 + b 2 = c 2 を満たす △ABC において、線分 AB を b 2 : a 2 の比に内分する点を D とすると
\begin{align}
\text{AD}
&= c \times \frac{b^2}{b^2+a^2}\\
&= c \times \frac{b^2}{c^2}\\
&= \frac{b^2}{c}\\
\text{DB}
&= c \times \frac{a^2}{b^2+a^2}\\
&= c \times \frac{a^2}{c^2}\\
&= \frac{a^2}{c}
\end{align}
である。これより、△ABC と △ACD において
\begin{align}
\text{AB} : \text{AC} &= c : b\\
\text{AC} : \text{AD} &= b : \frac{b^2}{c} = c : b
\end{align}
であるから
\text{AB} : \text{AC} = \text{AC} : \text{AD}
が成り立つ。ここで
\angle \text{BAC} = \angle \text{CAD}
であるから、2辺比夾角相等より
\triangle \text{ABC} \sim \triangle \text{ACD}
が成り立つ。したがって
\angle \text{ACB} = \angle \text{ADC}
である。 同様に △ABC と △CBD において
\begin{align}
\text{AB} : \text{BC} &= c : a\\
\text{CB} : \text{BD} &= a : \frac{a^2}{c} = c : a
\end{align}
であるから
\text{AB} : \text{BC} = \text{CB} : \text{BD}
が成り立つ。ここで
\angle \text{ABC} = \angle \text{CBD}
であるから、2辺比夾角相等より
\triangle \text{ABC} \sim \triangle \text{CBD}
が成り立つ。したがって
\angle \text{ACB} = \angle \text{CDB}
である。ここで
\angle \text{ADC} + \angle \text{CDB} = \pi
であるから
\angle \text{ACB} + \angle \text{ACB} = 2 \angle \text{ACB} = \pi
である。したがって
\angle \text{ACB} = \frac{\pi}{2}
である[11]。ゆえに、△ABC は ∠C =
π
2
の直角三角形である。
同一法を用いた証明[編集]
ピタゴラスの定理を用いた証明
B'C' = a, A'C' = b,∠C' =
π
2
である直角三角形 A'B'C' において、A'B' = c' とすれば、ピタゴラスの定理より
a^2+b^2=c'\,^2



(1)
が成り立つ。 一方、仮定から △ABC において
a^2+b^2=c^2



(2)
が成り立っている。(1) 、(2) より
c^2=c'\,^2
c > 0, c' > 0 より
c=c'
したがって、3辺相等から
\triangle \text{ABC} \equiv \triangle \text{A'B'C'}
よって、∠C = ∠C' =
π
2
である[11]。 ゆえに、△ABC は ∠C =
π
2
の直角三角形である。
背理法を用いた証明[編集]
△ABC はピタゴラスの定理 a 2 + b 2 = c 2 を満たすとする。頂点 A から対辺 BC に垂線 AD を引き、AD = h, CD = d とする。 ここで、∠C ≠
π
2
と仮定すると、∠C <
π
2
の場合は、ピタゴラスの定理より
\begin{align}
c^2
&= (a-d)^2+h^2\\
&= a^2-2ad+d^2+h^2
\end{align}
であり、直角三角形 ACD では
b^2=d^2+h^2
であるから
c^2 = a^2-2ad+b^2
ゆえに
c^2 < a^2+b^2
となる。 次に、∠C >
π
2
の場合は、前述と同様に考えて
\begin{align}
c^2
&= (a+d)^2+h^2\\
&= a^2+2ad+d^2+h^2\\
&= a^2+2ad+b^2
\end{align}
ゆえに
c^2 > a^2+b^2
となる。上述のいずれの場合も
a^2+b^2=c^2
に矛盾する。ゆえに、△ABC は ∠C =
π
2
の直角三角形である。
対偶法を用いた証明[編集]
△ABC において ∠C ≠
π
2
と仮定すると、∠C <
π
2
または ∠C >
π
2
である。
∠C <
π
2
の場合は、背理法においての証明と同様にして
c^2 < a^2+b^2
となる。次に、∠C >
π
2
の場合は
c^2 > a^2+b^2
となる。いずれの場合においても
a^2+b^2 \ne c^2
である。∠C ≠
π
2
ならば a 2 + b 2 ≠ c 2 が証明できたから
a^2+b^2=c^2
ならば
\angle \text{C}=\frac{\pi}{2}
である。ゆえに、 a 2 + b 2 = c 2 を満たす △ABC は ∠C =
π
2
の直角三角形である。
転換法を用いた証明[編集]
△ABC において、3辺の関係を場合分けして考えると、∠C <
π
2
の場合は、背理法においての証明と同様にして
c^2 < a^2+b^2
となる。次に、∠C >
π
2
の場合は
c^2 > a^2+b^2
となる。さらに、∠C =
π
2
の場合は、ピタゴラスの定理より
a^2+b^2=c^2
となる。ここで、上記の場合分けで全ての場合が尽くされているし、上記のどの組合せも両立しない。したがって、転換法より上記の全ての場合において逆が成立する。ゆえに、ピタゴラスの定理の逆が証明された。
余弦定理を用いた証明[編集]
余弦定理を用いた証明
ピタゴラスの定理は既に証明されているとする。△ABC において、a = BC, b = CA, c = AB, C = ∠ACB とおくと、余弦定理より
c^2=a^2+b^2-2ab\cos C
である。仮定より
a^2+b^2=c^2
であるから
\cos C=0
である。三角形の内角の和は π であるから、0 < C < π である。 したがって
\angle \text{ACB}=\cos^{-1} 0=\frac{\pi}{2}
である。ゆえに、△ABC は ∠C =
π
2
の直角三角形である。
ベクトルを用いた証明[編集]
ピタゴラスの定理は既に証明されているとする。△ABC において
\Vert \vec c \|^2 = \Vert \vec a \|^2 + \Vert \vec b \|^2
であり
\vec c = \vec b - \vec a
である。 ここで
\begin{align}
\Vert \vec c \|^2
&= \vec c \cdot \vec c \\
&= (\vec b - \vec a) \cdot (\vec b - \vec a) \\
&= \Vert \vec b \|^2 - 2\vec b \cdot \vec a + \Vert \vec a \|^2 \\
\end{align}
である。したがって
\vec b \cdot \vec a = 0
である。よって
\angle \text{C}=\frac{\pi}{2}
である。ゆえに、ピタゴラスの定理の逆が証明された。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%82%BF%E3%82%B4%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%81%AE%E5%AE%9A%E7%90%86

数学に於いて、最も簡単な結果、事実は何でしょうか・・・

再生核研究所声明202(2015.2.2)ゼロ除算100/0=0,0/0=0誕生1周年記念声明 ― ゼロ除算の現状と期待
ゼロ除算の発見、経過、解説などについては、結構な文献に記録されてきた:
再生核研究所声明148(2014.2.12)100/0=0, 0/0=0 - 割り算の考えを自然に拡張すると ― 神の意志
再生核研究所声明154(2014.4.22)新しい世界、ゼロで割る、奇妙な世界、考え方
再生核研究所声明157(2014.5.8) 知りたい 神の意志、ゼロで割る、どうして 無限遠点と原点が一致しているのか?
再生核研究所声明161(2014.5.30)ゼロ除算から学ぶ、数学の精神 と 真理の追究
再生核研究所声明163(2014.6.17)ゼロで割る(零除算)- 堪らなく楽しい数学、探そう零除算 ― 愛好サークルの提案
再生核研究所声明166(2014.6.20)ゼロで割る(ゼロ除算)から学ぶ 世界観
再生核研究所声明171(2014.7.30)掛け算の意味と割り算の意味 ― ゼロ除算100/0=0は自明である?
再生核研究所声明176(2014.8.9)ゼロ除算について、数学教育の変更を提案する
Announcement 179 (2014.8.25) Division by zero is clear as z/0=0 and it is fundamental in mathematics
Announcement 185: The importance of the division by zero $z/0=0$
再生核研究所声明188(2014.12.15)ゼロで割る(ゼロ除算)から観えてきた世界
再生核研究所声明190(2014.12.24)
再生核研究所からの贈り物 ― ゼロ除算100/0=0, 0/0=0
夜明け、新世界、再生核研究所 年頭声明
― 再生核研究所声明193(2015.1.1 ― 
再生核研究所声明194(2015.1.2)大きなイプシロン(無限小)、創造性の不思議
再生核研究所声明195(2015.1.3)ゼロ除算に於ける高橋の一意性定理について
再生核研究所声明196(2015.1.4)ゼロ除算に於ける山根の解釈100= 0x0について
再生核研究所声明199(2015.1.15)世界の数学界のおかしな間違い、世界の初等教育から学術書まで間違っていると言える ― ゼロ除算100/0=0,0/0=0
ゼロ除算100/0=0,0/0=0誕生1周年記念日に当たり、概観して共同研究者と共に夢を明るく 楽しく描きたい。まずは、ゼロ除算の意義を復習しておこう:
1)西暦628年インドでゼロが記録されて以来 ゼロで割るの問題 に 簡明で、決定的な解 ゼロで   何でも割れば ゼロ  z/0=0  である をもたらしたこと。
2)ゼロ除算の導入で、四則演算 加減乗除において ゼロでは 割れない の例外から、例外なく四則演算が可能である という 美しい四則演算の構造が確立されたこと。
3)2千年以上前に ユークリッドによって確立した、平面の概念に対して、おおよそ200年前に 非ユークリッド幾何学が出現し、特に楕円型非ユークリッド幾何学ではユークリッド平面に対して、無限遠点の概念がうまれ、特に立体射影で、原点上に球をおけば、 原点ゼロが 南極に、無限遠点が 北極に対応する点として 複素解析学では 100年以上も定説とされてきた。それが、無限遠点は 数では、無限ではなくて、実はゼロが対応するという驚嘆すべき世界観をもたらした。
4)ゼロ除算は ニュートンの万有引力の法則における、2点間の距離がゼロの場合における新しい解釈、独楽(コマ)の中心における角速度の不連続性の解釈、衝突などの不連続性を説明する数学になっている。ゼロ除算は アインシュタインの理論でも重要な問題になっていたとされている。数多く存在する物理法則を記述する方程式にゼロ除算が現れているが、それらに新解釈を与える道が拓かれた。
5)複素解析学では、1次変換の美しい性質が、ゼロ除算の導入によって、任意の1次変換は 全複素平面を全複素平面に1対1 onto に写すという美しい性質に変わるが、 極である1点において不連続性が現れ、ゼロ除算は、無限を 数から排除する数学になっている。
6)ゼロ除算は、不可能であるという立場であったから、ゼロで割る事を 本質的に考えてこなかったので、ゼロ除算で、分母がゼロである場合も考えるという、未知の新世界、新数学、研究課題が出現した。
7)複素解析学への影響は 未知の分野で、専門家の分野になるが、解析関数の孤立特異点での性質について新しいことが導かれる。典型的な結果は、どんな解析関数の孤立特異点でも、解析関数は 孤立特異点で、有限な確定値をとる という定理 である。佐藤の超関数の理論などへの応用がある。
8)特異積分におけるアダマールの有限部分や、コーシーの主値積分は、弾性体やクラック、破壊理論など広い世界で、自然現象を記述するのに用いられている。面白いのは 積分が、もともと有限部分と発散部分に分けられ、 極限は 無限たす、有限量の形になっていて、積分は 実は、普通の積分ではなく、そこに現れる有限量を便宜的に表わしている。ところが、その有限量が実は、 ゼロ除算にいう、 解析関数の孤立特異点での 確定値に成っていること。いわゆる、主値に対する解釈を与えている。これはゼロ除算の結果が、広く、自然現象を記述していることを示している。
9)中学生や高校生にも十分理解できる基本的な結果をもたらした:
基本的な関数y = 1/x のグラフは、原点で ゼロである;すなわち、 1/0=0 である。
10)既に述べてきたように 道脇方式は ゼロ除算の結果100/0=0, 0/0=0および分数の定義、割り算の定義に、小学生でも理解できる新しい概念を与えている。多くの教科書、学術書を変更させる大きな影響を与える。
11)ゼロ除算が可能であるか否かの議論について:
現在 インターネット上の情報でも 世間でも、ゼロ除算は 不可能であるとの情報が多い。それは、割り算は 掛け算の逆であるという、前提に議論しているからである。それは、そのような立場では、勿論 正しいことである。しかしながら、出来ないという議論では、できないから、更には考えられず、その議論は、不可能のゆえに 終わりになってしまう ― もはや 展開の道は閉ざされている。しかるに、ゼロ除算が 可能であるとの考え方は、それでは、どのような理論が 展開できるのかという未知の分野が望めて、大いに期待できる世界が拓かれる。
12)ゼロ除算は、数学ばかりではなく、 人生観、世界観や文化に大きな影響を与える。
次を参照:
再生核研究所声明166(2014.6.20)ゼロで割る(ゼロ除算)から学ぶ 世界観
再生核研究所声明188(2014.12.16)ゼロで割る(ゼロ除算)から観えてきた世界
ゼロ除算における新現象、驚きとは Aristotélēs の世界観、universe は連続である を否定して、強力な不連続性を universe の現象として表していることである。
ゼロ除算は 既に数学的に確定され、その意義も既に明らかであると考えられるが、声明199にも述べられているように、ゼロ除算が不可能であるとの世の常識、学術書、数学は 数学者の勝手な解釈による歴史的な間違いに当たる ことをしっかりと理解させ、世の教育書、学術書の変更を求めていきたい。― 誰が、真実を知って、偽りを教え、言い続けられるだろうか。― 教育に於ける除算、乗算の演算の意味を 道脇方式で回復させ、新しい結果 ゼロ除算を世に知らしめ、世の常識とさせたい。それは ちょうど天動説が地動説に変わったように 世界史の確かな進化と言えるだろう。
ゼロ除算の研究の進展は、数学的には 佐藤超関数の理論からの展開、発展、 物理学的には ゼロ除算の物理法則の解釈や、衝突現象における山根の面白い解釈の究明 などに興味が持たれる。しかしながら、ゼロ除算の本質的な解明とは、Aristotélēs の世界観、universe は連続である を否定して、強力な不連続性を universe の自然な現象として受け入れられることである。数学では、その強力な不連続性を自然なものとして説明され、解明されることが求められる。
以 上

ゼロ除算は、誰にもわかるが、みんな間違って理解している。
正しい結果は、驚嘆すべきもので、何でも0で割れば、0ということが最近発見された。


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