2015年7月20日月曜日

記事 石破茂2015年07月17日 19:31国連憲章など

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石破茂2015年07月17日 19:31国連憲章など

石破 茂 です。

明治産業革命遺産の世界遺産登録は日韓の間に微妙な擦れ違いが生じ、今後に課題を残すものとなりました。世界遺産登録までは主に総理官邸と外交当局がハンドリングしてきましたが、今後は内閣官房が事務の取りまとめを担って関係省庁、地方公共団体などとともに管理方法などを定めていくこととなり、私が所掌閣僚となります。
日本政府代表団が forced to work という語を用いたことが、韓国側から「日本が強制労働を認めた」と意図的に宣伝されたことにより軋轢が生じているのですが、徴用は国際労働機関(ILO・第一次世界大戦後の1919年設立)において1930年に採択された「強制労働条約」に反するものでは全くない、という事実を歪曲することは、決して認められるものではありません。
この条約において、強制労働とは「処罰の脅威によって強制され、また、自らが申し出たものではないすべての労働」を指すのですが、「軍事的性質の作業に対し強制兵役法によって強制される労務などはこれに含まれない」旨が明記されています。
「意に反した労役」と「ILOによって認められない労役」とは明らかに異なるものであるにもかかわらず、あたかも日本国が国際規約に反したような行為を行ったかのごとく喧伝する手法は誤りです。この議論は日韓併合の合法性にまで遡る部分があるような気もしますが、形式的にも実質的にも日韓併合は合法的になされた、というのが、当時の国際法・慣例に照らして、通説的見解と言わざると得ないと思われます。この論点につき、「日韓間の諸条約の問題 国際法学の観点から」(坂元茂樹・日韓歴史共同研究報告書・2005年)は精緻かつ示唆に富んだ論考です。
この論考の末尾のコメントで同教授は、「国際法の立場から、日韓の旧条約の有効性を肯定することと、韓国に対する植民地支配を反省なしに肯定することは別個の問題である。植民地支配について反省するのであれば、それをもたらした法的措置について断罪すべきだという主張もあろうが、そのような主張は、歴史認識と法的議論を不可分なものとみる立場に他ならない。正しい歴史認識の必要性を否定するものではないが、歴史認識が法的議論を規定すべきだという考えに立つことはできない。仮に両者は同一でなければならないというのであれば、そこには法的議論の成立する余地は存在しないことになるからである」と述べておられますが、まさしく然りと思います。このような真っ当な考えに接すると本当にほっとします。 
一昨日の特別委員会における混乱ぶりはこれと対極をなすものでした。浜田靖一委員長のご労苦はいかばかりであったろうかと思います。
政府とてもちろん無謬ではなく、今後の参議院における審議では更なる工夫がなされることかと思いますが、手に手に紙を持って委員長席に詰め寄るあの姿を見ていて、実に暗澹たる思いが致しました。維新の対案が出てきたのは審議も大詰めに近づいてからでしたし、民主党に至っては領域警備以外の対案すら出さない有り様で、これで政党や国会議員の職責を果たしていると本当に思っているのでしょうか。念のために再度申し上げておきますが、国連憲章では基本的に「戦争」はすべて違法化されており、反対派の方が「戦争法案」と叫ぶのは根本から間違っています。
国連憲章第2条が「すべての加盟国は、その国際紛争を平和的手段によって国際の平和及び安全並びに正義を危うくしないように解決しなければならない。」「すべての加盟国は、その国際関係において、武力による威嚇又は武力の行使を、いかなる国の領土保全または政治的独立に対するものも、また国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎まなければならない。」と定めるとおりです。一方、憲章第51条は、「この憲章のいかなる規定も、国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個別的または集団的自衛の権利を害するものではない。」とも定め、自分の国を自分で守る個別的自衛権、密接な関係を有する国同士が互いに守りあう集団的自衛権を認めていますが、これが安全保障理事会における米・英・仏・中・露の常任理事国が持つ拒否権の発動により、国連の集団安全保障が機能しない場合を念頭に置いたものであることは言うまでもありません。

国連憲章においてこの「集団的自衛権」という概念が創設されたのは、大国の横暴を恐れた中南米諸国の発案によるものであり、そもそも「米国と共に世界中で戦争する権利」ではないことはその歴史的経緯からも明白です。

もし本気で「集団的自衛権は戦争につながる邪悪なものだ」と信じているのならば、岡田民主党代表は外相在任時に国連総会に行ってそのようなご主張をなさるべきでしたし、今後の民主党の選挙公約にそのようにお書きになるべきでしょう。
「国連」というリアリズムの極致のようなシステム( United Nations は「第2次世界大戦に勝利した連合国の連盟」がその本質であるのに、これを「国際連合」と訳したところから誤解が始まったようにも思いますが)が、個別的自衛権と、集団安全保障と補完関係に立つ集団的自衛権によって維持されてきたものであることを、我々は直視しなくてはなりません。
国連は決して「理想が体現されたお花畑」のような世界ではないのですが、これを直視することを意図的に避けているとすれば、それはためにする誤った議論であり、これを知らないとすれば、恐ろしく不勉強という他はありません。
「今回の法制は立憲主義の破壊である」という主張も似たようなもので、立憲主義とは「憲法が権力を拘束するもの」であると共に「三権分立が機能すること」も不可欠の要素です。
この議論を意図的に回避し、ひたすら立憲主義の破壊を叫ぶ光景も、何やら異様な感じが致します。日本における民主主義は市民が専制君主から戦って勝ち取ったものではないから、このようなことになるのだ、とは思いたくはありませんが。
なお、日米同盟と現状と課題について「『無極化』時代の日米同盟 アメリカの対中融和政策は日本の『危機の20年』の始まりか」(川上高司著・ミネルヴァ書房)は極めて参考になる著作です。川上教授の論考からは、いつも貴重な示唆をいただきます。
小型全国時刻表(交通新聞社刊)の8月号の巻頭エッセー「いとしの路線」に、古(いにしえ)の山陰本線の花形列車「特急まつかぜ」と「特急出雲」の思い出を記しておきました。

鉄道にご興味・ご関心のある方はどうぞご覧下さいませ。

週末は、18日土曜日が年に1度の地元における大集会「どうする日本2015」(10時・JA鳥取中央本所(倉吉市)、13時半とりぎん文化会館(鳥取市))。
19日日曜日は「新報道2001」出演、日本青年会議所サマーコンファレンス「地域再興政策コンテスト」表彰式(横浜市)、NPO法人「養生の郷」設立10周年記念地方創生フォーラム(倉吉市)。
20日月曜日(海の日)は道の駅「きなんせ岩美」竣工記念式典(鳥取県岩美町)、斉木正一鳥取県議会議長就任祝賀会(米子市)、という日程です。
梅雨が明けたかのような猛暑の続いた一週間でしたが、週末からまた梅雨に逆戻りのような日々となるようです。お元気でお過ごしくださいませ。http://blogos.com/article/123390/

文化遺産とは、美しい過程で作られたものである必要はなく、歴史的遺産として 価値が有れば良いのでは。
奴隷を強要して作ったからダメ、略奪だからダメ、侵略の結果だからデメでは、多くの遺産は 成り立たないのでは?


再生核研究所声明220(2015.3.21)戦争に関する心理について
― 絶えず平和のための努力を

最近、戦争における心理について幾つか気になる 考えが湧いているので、世相における警鐘として纏めて置きたい。課題は大きなものであるから、心に浮かぶ考えを要点的に
幾つか述べる形で、表現したい。
これは、まず、終戦後 平和憲法の下で育ってきた 戦争と平和については 素人の考えである と考える必要があるだろう。
そもそも、戦争であるが、国家が開戦を宣言すれば 誰でも戦争に参加せざるを得ず、国家の命令には 何びとといえども逆らえないことである。そのときは 群集心理によって、大きな波に飲み込まれ、相手国の国民も同じような状況であるにもかかわらず、矛盾の言語のように 暴走して 一方や双方が壊滅まで進まざるを得ないのが、 戦争ではないだろうか。(― しかしながら、これからの戦争は、第2次世界大戦やそれ以前の戦争とは全く形相が異なるであろうことを しっかりと 捉えることが大事ではないだろうか。―) このような本能は 民族、国家として、野獣のように生物的に運命づけられていると考えられる。従って、戦争を避けるには、そのような状況に追い込まれないように、平和の時代に 絶えず慎重に 平和のために 大いに努力すべきである。
次に、戦争の芽であるが、平和を乱す者は、多くは政治家であって、政治家は、自己の政治的な立場や 利害で、国家間の対立を意図的に煽り、民衆の目を外に向けさせて、言わば人気取りに利用するは 世界史上でも多い。多くの国民は 他国を批判して、自国の優秀性を示し、国家的利益を守ることのように錯覚して、うまくのせられ 国防や安全の言葉に酔ってしまい、ぼんやり リードされている心理は 相当に世界史の常識ではないだろうか。 民衆はそのような面では、鰯の群れのように 盲目的な存在ではないだろうか。一部の民衆や組織では 国家機関の行動や方向を修正する力などはないであろう。 そのような世相が進むと、マスコミや言論界などでさえ権力を恐れたり、利害が失われることを恐れて、調子よく盲目的な民衆を 本分を忘れて ミスリードし、権力の協力者になりがちである。そうなると、誰もが権力を恐れ、また利害関係から、流れに逆らうことができなくなるだろう。 この点は ― 権力は 絶えず牽制される必要があるとの 世界史で学んだ 普遍的な、不変的の原理である。
最近 流行語のようになっている、集団防衛構想、安全保障問題、いずれも、自国や仲間の安全を図り、防衛構想を進めれば、相手側も全く同じように対応し、結局は軍拡競争になるは必然であり、世界史で学習済みの 愚かな 方向であると言える。自国の安全を志向すれば、反作用として 軍拡競争に陥り、進めば、必然的に激突し、開戦に至るは、必然の法則、人間の戦争心理にあると考えられる ― 軍事的に対立をしていれば、いずれ対決は、必然ではないだろうか。― それゆえに、そのような方向に向かわないように、 絶えず 平和のための努力を行い、広い世界との交流と友好関係に気遣い、野蛮な本能をよび覚ましたり、刺激しないように努力を 平時に行うべきである。
オリンピック開催や様々な国際交流などは そのような意味でも 平和の機運 を国際的に盛り上げ、平和に貢献するだろう。― 良いことに集中していれば、悪いことをする暇がないだろう。
安倍政権は言わば危険な方向に世相を誘導していて、平和憲法の改悪を公言している。今こそ、平和のための 努力を行い 危険な世相を増長させない努力が 求められる。
次も参照:
再生核研究所声明202(2015.2.10) 世界史を進化させる 世界に誇れる、平和憲法の擁護を 提案する
再生核研究所声明156(2014.5.1) 尖閣諸島、簡単な算数と 愚かで卑劣な日本国
再生核研究所声明153(2014.3.26) 日本国の危機 と 祖国救済の戦略

以 上
追記

美しい国、日本(2008/2/11):

今日は、建国記念日です。日本には、世界に誇るべき美しい文化と人類を導く良い考え方があると思います。 多額の借金と少子化及び教育の荒廃によって、このままいくと日本国は、衰退の道を辿る事にならないでしょうか。 何とか、日本国の再生を期したいと思います。 もちろん、日本国の神話は大事にすべきではないでしょうか。

美しい国、日本

日本は美しい島国です。
豊かな水で多くの川が流れています。
日本には山が多く、山々は緑に覆われ、また雪に覆われたりしています。

日本の空と海は美しく、多くの詩と夢を育んできました。
日本は大きなひとつの家族のようで、みんな一緒に助け合ってきました。
言葉がなくてもお互いに理解でき、細長い国のため、四季とともに多様性にとんでいます。

日本には天皇陛下がおられて、家々の氏神様の頂点におります。 
天皇陛下のおられる皇居は 日本の美しいものの、心の源になっています。
ですから先の大戦では 天皇のお言葉一つで 完全なる終戦を迎えることができたのです。

京都は千年をこえる日本の都でしたので、日本人の故郷です。
多くの人は京都を訪れて、故郷に帰ったような不思議な郷愁を感じるのです。
伊勢は古代からより古い日本人の故郷です。ですから日本の首相は新年にまず伊勢神宮を参拝するのです。

日本の文化には 自然とともにある繊細さがあります。俳句や和歌を多くの人々が愛でて、人に優しく気遣いができるのです。遠くのインドのお釈迦様の教えや中国の孔子様の教えが、美しい風土からうまれた神道と共に溶け込んでいるのです。

これが世界に唯一つしかない 美しい日本国です。



再生核研究所声明204(2015.2.10)世界史を進化させる 世界に誇れる、平和憲法の擁護を 提案する
(安倍首相の憲法改正の意志表示を受けて、直ちに構想が湧いたものである)

大義なき12月の総選挙で 共産党の倍増など、相当な批判が出たものの批判をかわした安倍首相は勢いづいて、憲法の改正を公言してきた。日本国のあるべき姿を省察して、憲法改悪を頓挫させ、日本国と、世界のために、安倍政権を追い詰めることを提案したい。まず、関係声明を復習して置く:

再生核研究所声明6: 憲法問題に対する提案
再生核研究所声明8: 日本国の防衛の在り方について
再生核研究所声明10: 絶対的な世界の平和の為に
再生核研究所声明 25: 日本の対米、対中国姿勢の在りようについて
再生核研究所声明 46: 日本国の1つの国家像、あるべき姿について
再生核研究所声明 53: 世界の軍隊を 地球防衛軍 に
再生核研究所声明 94(2012.9.18): 日本国よ こんなことで良いのか ― あまりにもおかしな 日本国 ― 中国に大義あり、日本国の侵略は歴然
再生核研究所声明 97(2012.9.22)  虚妄、空想、日中戦争の分析と顛末
再生核研究所声明 98(2012.9.23) 矛盾、日中は戦争状態にある、― 日本はそんことをしていて良いのか、 原因を取り除け
再生核研究所声明 103(2012.10.12)日・中戦争の経過と状況の分析 ― 賢明な終戦と和平 
再生核研究所声明 108(2012.12.8) 敗戦国日本よ、 情けないぞ ― 自主独立を求め、米・中との友好関係を 日本国憲法の精神で進めよ。アメリカは、日本の自治を尊重して、政治介入を控えよ。
再生核研究所声明 109(2013.2.8) 中国の出軍は、道理であり、日本の出軍は憲法違反である - 公正と法とは何か、おかしな日本のNHKと世相
再生核研究所声明 111(2013.2.20) 日本国憲法によって、日本国および日本軍を守れ、― 世界に誇る 憲法の改悪を許すな
再生核研究所声明 123 (2013.8.18): 日本国の自立を求めて ー なぜ自立を求めるか -それは、 日本の固有の美しい文化を維持、発展させるためである
再生核研究所声明 133 (2013.9.11): 2020年 東京オリンピックとパラリンピッの開催について - オリンピックを成功させ、平和憲法の精神の下で、日本は進化を
再生核研究所声明153(2014.3.26) 日本国の危機 と 祖国救済の戦略
再生核研究所声明156(2014.5.1) 尖閣諸島、簡単な算数と 愚かで卑劣な日本国
再生核研究所声明177(2014.8.14)国際紛争を少なくするための 単純明快な原則 を提案する

上記は、敗戦後 慎ましく内実につくし、世界の平和を希求し、科学技術と高い固有な文化国家としての 世界の象徴的な存在であった日本国が、国是とされてきた平和国家としての基本的な姿勢を変え、 武器の扱いの変更や、尖閣諸島問題などでも挑発するように問題を自ら引き起こしている。最近は 国民の 苦しみも 顧みず、財政難の折り、お金を派手にバラマキ いろいろな国をわざわざ逆なでして、言わば 歴史の進化とは異なり、時代を逆行させ、 また泥沼の解消とは逆に、大国を頼りに 泥沼にめり込む方向で 余計なことをしている。国家衰退の方向に 無責任に、盲目的に 暴走しているように見える。大戦勝利国を中心とする国連の改革もせず、義務ばかりを、あるいは紛争の一翼を負わせられる、自衛隊の海外出兵も是とすることを考えていると理解され、これは専守防衛の国是に 著しく反する方向である。
戦後、苦難の中から、真摯に国際協力の下、理想的な平和憲法を定めた賢人的な人々の思いとは別に 浅はかな政権が 分を弁えず、危険な方向に暴走しているように見える。
もちろん、憲法も時代に合った方向で、より良いものにしたいという考えは 当然であるが、改正しようとする政権の信頼と実績をしっかり評価するのは 大事なことである。
派手で、バラマキ、右傾化の安倍政権は危険であり、真摯な政治姿勢をとっているとは評価できず、安倍政権指導による憲法の改悪に 反対の意志表示をするものである。
政治は大きな世界である、大きく団結して、日本の世界に誇れる憲法を 世界史の進化を志向して 改悪を阻止し、平和憲法を擁護して行こう。
民主主義では、国民の意思表示表明には 昔の発想では 銃剣がかかっており、戦争の是非さえ左右しかねない。
ひとたび、国の命令が降れば、何びとも命をかけて、従うは道理であり、何びとも従わざるを得ない。国家の意思表示が危険な方向に走れば、流れは抑えられず、破局まで暴走を続けることを、日本国民は 身にしみて実感してきたはずである。今こそ、日本国民の真価が 問われている。言論界、マスコミは、世界のひとびと共に 世界史の進化を志向して 国民を導く、基本的な義務を負っているのは 当然である。

以 上







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