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fujipon2015年10月31日 00:00【読書感想】サッカーは監督で決まる リーダーたちの統率術
サッカーは監督で決まる リーダーたちの統率術 (中公新書ラクレ)
作者: 清水 英斗
出版社/メーカー: 中央公論新社
発売日: 2015/06/10
メディア: 新書
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サッカーは監督で決まる リーダーたちの統率術 (中公新書ラクレ)
作者: 清水英斗
出版社/メーカー: 中央公論新社
発売日: 2015/07/10
メディア: Kindle版
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内容紹介
巨匠たちを知れば、代表監督もよくわかる! モウリーニョ、ハリルホジッチ……一人一人の持ち味を分析し、彼らの手法を比較・ 統合。巨匠たちのメソッドから、監督に必要な力(刺激、厳格、共和、内発、一貫、 組織、修練)を導き出す。そして、その指導術をふまえて日本代表監督を検証し、課 題を浮き彫りに。ハリルホジッチの「??力」は花開くのか? サッカー監督という 仕事の全体像を描く。
世界の名将たちは、どのようにして、選手たちを統率しているのか?
モウリーリョ、ファーガソン、デル・ボスケ、グアルディオラ、クロップ、レーヴ、オシム、ハリルホジッチの8人の「名将」を題材に、彼らの具体的な行動や考え方を紹介しながら、監督の、あるいはリーダーの必要条件について考察した新書です。
これを読んでいくと、監督という仕事には、ほんとうにさまざまなやり方があって、「絶対的な正解」というのは存在しないのだが、と思い知らされます。
そして、以前結果を出したのと同じ方法が、ずっと通用するわけでもない。
現在はチェルシーの監督であるジョゼ・モウリーリョは、なんだかやたらと挑発的な言動が多いし、チームのフロントとの衝突も目立つ。でも、彼が世界有数の「名将」であることに異議を唱える人はいないでしょう。
なぜ、あんな行儀の悪そうなオッサンが、選手たちに慕われるのか?
数々のスター選手が、モウリーニョへの絶大な信頼を語っています。
「モウリーリョと過ごした1シーズンは、他の監督との10シーズンに匹敵するほど内容が濃いものだった。彼の話は人々の心をひきつけて離さない。選手の意欲を最大限に高めることができる監督だ」(ヴェスレイ・スナイデル)
「俺はモウリーニョのためなら、死ぬことだってできる」(ズラタン・イブラヒモビッチ)
「僕は今回、父親と対戦する。そう。モウリーニョ監督のことだ。彼は僕の人生の特別な場所を占めている。僕の人生そのものを変えてくれた人だ」(ディディエ・ドログバ)
数々のスター選手に「ここまで言わせる」監督なんですよ、モウリーニョ。
オシム監督は世界的な名将ですが、日本の選手に「オシムのために死ねる」と言った人はいませんでしたし、それは監督としての技量の優劣には直結しないのかもしれません。選手のキャラクターもあるし。
ただ、モウリーニョというのは、「スター選手をそういう気持ちにさせることができるカリスマ」なんですよね。
モウリーニョというリーダーのやり方はきわめてシンプルだ。正直に、率直に、明確に。ウソをつかず、直接対話を重視する。それだけだ。『ワールドサッカーキング』2014年10月号のインタビューでは、次のように語っている。
「選手が私に忠誠を誓うように、私も彼らに忠誠を誓うんだ。関係性を築くには、正直に向き合うしかない。ときには選手が求めていることを、あえて伝えないこともあるが、基本的には誠実に接する」
2012-13シーズンの開幕前、レアル・マドリードを指揮したモウリーニョは、選手層の厚いチームの中で出場機会を得られなかったカカに対し、「今シーズンはベンチ要員だ。移籍を考えたほうがいい」とみずからの方針をハッキリと告げた。さらに同時期には、ドルトムントからの移籍先を模索していた香川真司と接触し、「獲得したい」と意志を伝えるも、「ただし、うちにはエジルがいるので、加入する場合はエジルの控え選手になる」と、チームでの序列について、こちらも包み隠さずに伝えている。
こうした姿勢は当たり前のようで、当たり前でないことは、私たち自身にも理解できる話だ。
「正直に伝えてしまえば印象が悪くなる」と考えるのは自然なこと。序列をうやむやにし、とりあえず駒をキープしたい――。無用なリスクを避けるためにウソをつくのなら、それも駆け引きである。
ところが、モウリーニョは本心を言ってのける。リスクを背負い、プレッシャーがかかる場面であっても、それが彼の人生哲学だからだ。
著者は「こういうやりかたには、リスクがある」ことにも言及しています。
嫌われることだってあるだろうし、「本音」と「建前」を使い分けるのが、交渉事には必要でもあります。
香川真司は「キミにもレギュラーのチャンスがある!」と言われればチェルシーに来たかもしれないのに、結局、マンチェスター・ユナイテッドに移籍したのですから(ただ、この移籍は成功とは言いがたかったので、長い目でみれば、モウリーニョは正しかったのかもしれません)。
これで選手達の心を掌握できるのは「モウリーニョだから」としか言いようがないところもあるのです。
ただし、心理学に精通しているモウリーニョは、「誠実さ」だけの人間でもない。
しかし、モウリーニョが見せたモチベーションビデオは、まったく異質なものだった。選手たちのひどいプレーばかりを編集し、みじめな姿を見せる。それも試合直前に。
そして選手たちに伝える。
「こんなみじめな姿はわれわれではない。インテルの劣化版であって、われわれとは違う。これから飢えたライオンとなり、戦士となってピッチに立て。最初の接触プレーから、その姿を見せろ。そして次のプレーでも……」
その瞬間、モウリーニョは指示を書き記した戦術ボードを荒々しく蹴り飛ばす。イブラヒモビッチはそのときの様子を、次のように振り返っている。
「あれはまるで映画だったし、心理ゲームのようでもあった。俺たちはアドレナリンがみなぎり、猛獣のような気持ちでピッチに乗り込んだんだ」
モウリーニョがやることは、いつもサプライズに満ちている。これから華やかな場所へ登場する選手に、どこの誰が、あえてみじめなビデオを見せて闘争心をあおるなどということを、考えつくだろうか。
リーダーは、役者でなければならない。
これって、ひとつ間違うと、コントみたいになってしまうと思うんですよ。
でも、モウリーニョには、これを演じきるだけの背景があった。
ただ、こういうふうに「サプライズをつねに与える」というやりかたは、ずっと長く続けるのは、難しいのかもしれません。
モウリーニョは、数年単位でさまざまなチームの監督として渡り歩いているのですから。
行く先々で「優勝請負人」としての期待に応えながら。
モウリーニョ監督の話だけでも興味が尽きず、長々と書いてしまいましたが、この本では、それぞれタイプが異なる「名将」たちのことが紹介されているのです。
香川真司選手の「恩師」でもある、ユルゲン・クロップ監督の章より。
『連帯感』『攻撃的なスタイル』『チャレンジする精神』――。それはクロップが大事にする3つの柱だ。
まず、いかに連帯感を生み出すか。クロップはチームの団結を何よりも重要視する。たとえばマインツを指揮したころ、プレシーズンとなる夏のキャンプで、選手全員をカヌーに乗せて激流下りに参加させたことがある。いわく「全員で危機を乗り越えさせる。それが団結力を生む」とのことだ。
このような課外活動を通してチームを団結させる手法は、日本代表の監督を二度にわたって務めた、岡田武史も好んで実践する。たとえば2012年から2年間の指揮を執った中国の杭州緑城では、プレシーズンの合宿を日本で行ない、選手全員とチームスタッフが筑波山に登山を行った。協力して野営テントを張り、1泊した後、キックオフは午前4時、選手たちをグループに分けて1枚ずつ地図を渡し、暗闇のなか、ヘッドライトを頼りに登る。冬が終わりかけの季節だったので、山頂付近にはアイスバーンがあり、足元は悪い。どうにかこうにかたどり着き、日の出を迎えると、選手たちからは歓声が上がったそうだ。
当時の杭州緑城というチームは、プロ意識に欠ける選手が多かった。たとえばメンバーから外れた選手が、試合中にロッカールームでスマートフォンのゲームに興じていたり、頻繁に遅刻をしたり。岡田は彼らのサッカーに対するピュアな気持ちに感銘を受けながらも、そうした規律を乱す行為をどのように戒めていくか、思案した。そして、チームビルディングの手法として登山を選択している。
監督って、大変な仕事なんだな、とあらためて考えさせられました。
というか、これって、プロサッカーチームというより、中学校の部活とかの話じゃないのか……
監督たちは、これだけ「試行錯誤」している、ということなんですね。
ちなみに、日本代表監督についての、こんな話も。
オシム、岡田武史、ザッケローニ、アギーレ、ハリルホジッチと、歴代のトレーニング風景を比較したとき、選手たちからもっとも多くの歓声が上がり、盛り上がっていたのは、間違いなくアギーレのチームだった。当時、ケガで別メニュー練習していた内田は「試合に出られない選手もきびきびと練習していた。俺が代表で見たなかでいちばん、楽しそうで、がっつり練習をやっていた。良い練習をするんだなって、横でストレッチしながら見ていた」と語った。また、アギーレ退任が決まった後、香川は「すごくさびしいけど、素晴らしい監督だったし、僕は本当に代表が楽しかった。今までやってきたなかでいちばん楽しかったし、情熱的な監督の指導が好きだった。短期間で素晴らしい人に出会えたと思っている」と吐露した。
本当の監督の仕事とかチームの内情というのは、外部から、メディア経由で見えるものとは、違ったものなのでしょうね。
僕もアギーレ監督退任のときの香川選手のコメントはネットで読みましたが、去っていく人へのリップサービスみたいなものなのだろうな、と思っていました。
でも、この練習の様子を知ると、香川選手は、本当にそう感じていたのでしょう。
そう簡単に真似できるようなものではないし、「なんでもあり」だけれど、「絶対的な正解」はない。
「監督からみるサッカー」というのも、なかなか面白い。
監督って、やるのは大変ですよねほんと。
チームが不調なら、悪口言われ放題だし。http://blogos.com/article/142142/
再生核研究所声明169(2014.6.25) サッカー観戦の印象 と 日本チーム強化の戦略
(サッカーファンからの要望によって、日本チームを強くする戦略を考察した。)
ワールドカップ日本の観戦をして、自国チームが負けるのは、生物の本能に由来するように、嫌なものである。 誰でもそうではないだろうか。― 生命には、本質的に切なさが存在する。― 数学などの研究を永くしてくると あまりにも厳しい世界で とても志す気には成れない。数学などの研究は 何十年のスパンで 長期戦略で進める求道や 真理の追究、人生の志に由来する。
サッカーは 子供の頃校庭でよくやったものであるが、勝負と言えるようなことをやったことは無く、全くの素人である。
しかし、今回の日本戦を見て、良い戦略、強化方法が思い付いたので、上記要望も寄せられた経緯も有るので、触れて、提案したい。言うは易く、行うは難しい??
特に、ギリシャ戦などでは、全体的な力では相当優位にあるように見えたが、結局、引き分けに終わった苦しい戦いであった。どうしてだろう。 それは、ゴールを決められない決定的な弱点にある。 ゴールを決めることは、サッカーで 優位に立つ 重要な、肝心な点 ではないだろうか。初戦についても言える。コロンビア戦についても言える。ゴールの機会は、結構あったと言える。
そこで、次のような訓練は 如何であろうか。
ゴールを狙える立場の人は、ゴールの枠にぶつけて、反射で ゴールを決める訓練を徹底的にやる。
この訓練は ゴールキーパーにはよらず、 何時でも安定的に練習ができ、何時でも、最も有効にゴール決める方法である。 本能かも知れないが、ゴールを狙うとき、わざわざキーパーにぶつけているような例が多く見られる。これは、極めて残念な場合である。ゴールを狙う機会はそう多くはないので、痛切残念、そのような場合には、国中でため息が聞かれる状況と言える。
条件反射的に、ゴールの枠にぶつけて、反射で ゴールを決めるような訓練を 徹底的にして欲しい。
総合的な力を付けるのは、専門家の課題であるが、この要点をしっかり訓練すれば、戦力は飛躍的に向上するのではないだろうか。実際、ゴールを決めている場合、ゴールの枠にぶつかって、ゴールを決めている場合が多く見られる。既にそのような訓練を意図的に行っているのではないだろうか。
サッカーの印象は、アジアや日本は まだまだ伝統が浅く、世界レベルから見ると、まだ力不足は否めない。 伝統は甘くはない。世界的になる、世界を狙う精神がどのようなものか、その精神がまだ、しっかり身についていないと言うことではないだろうか。 これは単にサッカーばかりではなく、近代科学や民主主義、人権、評価システム、大学の在りよう、マスコミの在りよう、政治家の在りようなどなど、欧米から 入ってきた多くが表面的な物まねで、それらの深いところの理解が 浅く、しっかりしていない状況と同様ではないだろうか。輸入したものを身に付けるのは、教えられ、学んだものを身に付けるのは、 一朝一夕にはゆかないのが、道理ではないだろうか。長期的な視点に立って、頑張って欲しい。
以 上
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