研究報告:「温暖化は停滞」に反論
米海洋大気庁が「サイエンス」誌に
2015.06.09
干上がったコロラド川デルタに打ち捨てられたボートが、長い影を落としている。全世界の海と陸の温度を分析し直した結果、温暖化は停滞していないことが明らかになった。(PHOTOGRAPH BY PETE MCBRIDE, NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE)
国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は2013年、地球温暖化は停滞しているとする報告書を発表した。温室効果ガスが増加しているにもかかわらず温度上昇が停滞しているという「ハイエイタス現象」に科学者は頭を悩ませ、気候変動など起きていないと主張する人々は気を良くしていた。ところが先週、温度上昇の停滞は不適切なデータにもとづく錯覚であり、この15年間、地球温暖化は停滞していなかったとする調査結果を、米国海洋大気庁(NOAA)の科学者が「サイエンス」誌に報告した。
NOAAのチームは、世界各地の陸上や、船あるいは海上のブイに設置された数千台におよぶ温度測定装置のネットワークに注目した。測定方法の違いによる値のばらつき(特に、船舶で測定する温度とブイで測定する温度の差)を考慮に入れ、1880年以降の平均年間表面温度のグラフを作り直した。「データは、21世紀も20世紀後半と同じ傾向を示しています。ハイエイタス現象は見られません」と、論文の共著者であるNOAAの米国環境情報センター気候科学部門長のラッセル・ヴォーズ氏は言う。
1998年以降、温暖化は止まっているのか
新たな調査結果は、2013年のIPCCの報告書を否定するものだ。IPCCは、1998年から2012年にかけての地球の温度上昇率は、1951年から2012年にかけての上昇率と比較して3分の1から2分の1も小さくなったと指摘し、これを「ハイエイタス(地球温暖化の停滞)」と呼んだ。
NOAAによる新たな分析は、誤った数字からこうした仮説が導かれ、気候変動に関する科学と政策に大きな影響を及ぼしたと指摘する。
ハーバード大学の科学史家ナオミ・オレスケス氏は、「この誤りに対して平静さを装うことも、表現を和らげることもできますが、現実問題として統計的に顕著な停滞など見られません。これまでもなかったのです」と言う。
オレスケス氏のチームが数えたところ、地球温暖化の停滞を説明しようとする論文は、査読のある科学誌だけでも80本以上発表されているという。「ネイチャー」誌も、2014年のはじめにこの問題について2度特集を組んでいる。「存在しない現象を説明するために、膨大な量の研究と努力が積み重ねられたのです」とオレスケス氏は言う。
NASAゴダード宇宙科学研究所のギャヴィン・シュミット所長は今回の研究には参加していないが、データがわずかに変更されたことでハイエイタス現象が完全に消えてしまうのは興味深いと語る。温度の継時的な変化は推定値にすぎず、測定値が増えるにつれて気温変化の潜在的な偏りへの理解が深まり、誤りがあれば修正されていくだろうと指摘する。「分析方法を少し変えるだけでハイエイタス現象の有無が変わるのですから、そもそもこの概念がいかに脆弱であるかがわかります」とシュミットは言う。
データ補正で変わる結果
とはいえNOAAの論文は、研究者にも地球温暖化をめぐる論争を繰り広げる政治家にも疑問の余地を残している。ジョージア工科大学地球大気科学科の教授で、温度の測定記録には方法によってかなりの差が出ると指摘してきたジュディス・カリー氏は、NOAAの新たな測定方法で地球温暖化の傾向がこれまでより正確に見えてきたとは言いきれない、と電子メールでコメントしている。「今回『サイエンス』誌に掲載された短い論文だけで、NOAAのデータに加えられた大きな変更を説明し、検証することはできません」と彼女は言う。「地球の表面温度のデータは流動的なものです。NOAAによるこの分析は、オバマ政権にとっては政治的に有用でしょうが、現在地球に何が起きているかを科学的に理解するためには、特に有用な情報であるとは思いません」
地球温暖化を否定する「Climate Depot」というウェブサイトを運営するマーク・モラーノ氏は、NOAAの新たな調査結果は「気候をめぐる議論にはほとんど影響しないでしょう」と言う。クルーズ氏らは18年以上地球温暖化が停滞していることを示す衛星データの存在を挙げる。モラーノは電子メールで「NOAAの発表によって、論争するデータとスケジュールが1つ増えただけのことです」とコメントしている。
北極海の浮氷群の上を飛ぶ海鳥。ノルウェーのスバールバル諸島で撮影。(PHOTOGRAPH BY RALPH LEE HOPKINS, NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE)
NOAAのチームは今回、世界中の海に数十年前よりはるかに多くの温度測定ブイが設置されている点を考慮した。長期間温度を測定するブイの値は精度が高いので、新しいデータでは、ブイの測定値が重視されている。
また、商用船の海水温測定値も修正した。第二次世界大戦以降、商用船ではエンジン冷却水の取り入れ口に付けた温度センサーで海水温を測定しているものとしてデータを得ていたが、NOAAのチームによると、今日でも多くの商用船が昔ながらの方法、つまりバケツを下ろして海水を汲み、温度を測っているという。
このようにデータ収集法の違いによるばらつきを補正すると、より正確に全体像が見えてきた。温暖化は、衰えることなく一貫して進行している。
「私たちの仕事の多くは、大部分の観測システムが気候変動の監視用には不向きであるという事実を説明することでした」とヴォーズ氏は言う。「天気を知りたいのは飛行機や農業のためであり、海水温を測定するのは気候ではなく、海流を知るためなのです」。こうした潜在的な測定値の偏りをすべて検討することは「ひと苦労でした」とヴォーズ氏。
【動画 】地球温暖化の基礎知識
興味深いことに、NOAAによるデータの補正と再分析の結果、1880年代からの温度上昇率は1.15℃から0.92℃へと転じた。これは、再計算により過去の温度が高くなったからである。
この数年、ハイエイタス現象を解明しようと多くの研究が行われてきたが、それが無駄になることはないとヴォーズ氏は言う。海の循環と熱の吸収、太陽活動の低下、二酸化硫黄の増加など、地球を冷却する現象を精査することで価値ある情報がもたらされ、決して新たなデータと矛盾するものではないからだ。
「こうした作用がなかったら、温度上昇はさらに激しくなっていたかもしれないのです」と彼は言う。
文=Marianne Lavalle/訳=三枝小夜子
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/15/a/060800007/
再生核研究所声明 56(2011.04.06): アースデイ の理念
先ず、アースデイの概念であるが、グーグルで検索すると、環境関連の会議で、環境問題についての討論集会、環境のかかえる問題に対して人びとに関心をもってもらおう、 地球環境を守る意思表示をする国際連帯行動 などから、地球環境を大事にしようという概念が 鍵となっているようである。
そこで、地球について改めて、考察し、かけがいのない地球 に想いを致し、元祖生命体における人類の使命(再生核研究所声明 41:世界史、大義、評価、神、最後の審判)を自覚するように 訴えます。
広大な宇宙空間で、地球のように 生命が繁茂し、人間のような ある程度の精神作用や自由意志を有する高等生物が生息する天体は 未だ見つかっていない。 このことからも、既に 地球が広大な宇宙の中で、かけがいのない存在 であることが分かる。 人類が存在して、初めて、全てのことは始まるから、人類の生存は 最も大事な ことになる(再生核研究所声明13)。 雄大な生態系において、人類はその頂点に位置していて、自由意志と能力によって、地球や生態系に重大な影響を与えている。 実際、人類が望めば、原爆などで地球を破壊し、生命の絶滅も可能であろう。しかしながら、実は、人類の自覚が無ければ、このままでも 生態系が破壊され、少なくとも人類絶滅にいたるのは 物理的にも 容易に想像される。
実際、地球外から地球を見れば、人類が如何に自然と生態系を破壊して来たかが、良く理解できる。人類こそ、地球の生態系を蝕む、がん細胞のような存在であることを しっかりと理解する必要がある。がん細胞が増殖すれば、生態系は乱され、やがて がん細胞すら存在しえなくなるのは明らかである。
このような観点から、地球環境の保全、特に生態系の保全に特別な想いを致すのが、アースデイの理念 でなければならないと考える。
生きている地球が、地震などを起こすのは道理である。 地球と仲良く生きるとは、地震などにも柔軟に対応できる生き方をするということである。母なる地球が在って、豊かな生態系が在って、はじめて人類の生存の基礎ができるのである。 それらの持続可能な在りようを追求するのが、元祖生命体の代表である人類の 真に崇高な使命である。大義である。
生態系の在りようは 多様性によって裏付けられているが、その実体は未だ 人知の及ばない領域とも言えるから、人類は謙虚になって、
1) 人類の立ち入らない島や、地域の制定
2) あらゆる生物種の保存
に努力するように訴える。 人生で確かなこととは 生きて存在しなければ何も始まらない (生命の基本定理) ということであり、生態体系の保存に心すべきであり、元祖生命体の進化を見守りたい。 また、広い存在領域の確保のためにも、地球外への進出も企てたい(再生核研究所声明32)
以 上
再生核研究所声明224(2015.4.21) 郵便ポストの適正配置を求める提案 ― ゴミの無責任な投棄を止めよう
(これは 新緑美しい山間の道を散歩しながら、バイクでの郵便配達の様子を拝見して考えが湧いたものである。平凡な声明が、世に実際的に貢献すれば良いと考えた。)
世の中の人間関係の多くの問題は、次の 公正の原則 で概ね解決できると考えて再生核研究所声明の原型が始められた:
再生核研究所声明 1 (2007/01/27):美しい社会はどうしたら、できるか、 美しい社会とは:
最近の世相として,不景気・政界・財界・官界・大学の不振,教育の混迷,さらにニューヨークのテロ事件,アフガン紛争,パレスチナ問題と心痛めることが多いことです.どうしたら美しい社会を築けるでしょうか.一年半も前に纏めた次の手記はそれらのすべての解決の基礎になると思いますが,如何でしょうか.
平成12年9月21日早朝,公正とは何かについて次のような考えがひらめいて目を覚ました.
1) 法律,規則,慣習,約束に合っているか.
2) 逆の立場に立ってみてそれは受け入れられるか.
3) それはみんなに受け入れられるか.
4) それは安定的に実現可能か.
これらの 「公正の判定条件」 の視点から一つの行為を確認して諒となれば それは公正といえる.
現在,社会の規範が混乱し,不透明になっているように思うが,公正の原則 を確認して,行動していけば ―― これは容易なことではないが ―― 世の中は はるかに明るくなり,多くの混乱は少なくなると思いますが如何でしょうか.
また,こういうことを考える教育は,人間関係や社会生活の基本的な在り方を明らかにし,環境の保全などにも貢献すると思います.(以下略。)
そこで、今回は 極めて具体的に、各家庭で設置されている 郵便受けの設置場所についての検討を広く訴えたい。 郵便配達の方の立場を考えて、自分たちに都合の良い場所に 郵便受けの設置を考えるだけではなく、配達する人の立場も考えて 設置して 配達し易い様に考えようということである。 山間部等あまりに深く入り込んでいたり、 庭でも広く、奥深くに設置されていて、 配達する人の労苦、複雑さに驚かされている。 多くは バイクでの配達のようであるが、バイクでの観点も考えて、 より便利な設置を再検討したい。 郵便物を受け取る人も 配達する人も 楽しい状況になるように 配慮したい。
ついでに 余りにも当たり前のことであるが、美しい山や川に、 街に、 ゴミが捨てられていて、哀しくなる場面は 結構多い。極めて残念である。 美しい街、自然に相応しいものではない と常日頃繰り返し、思われるので、お互いに注意を換気したい。
美しい新緑の季節、自然を愛でて浩然の気を養いたい ― 再生核研究所声明223(2015.4.14) 人生の目的は、自然を愛でて楽しみ、ともに喜び合うこと ― 二十一世紀の壮大なロマン 真実(播磨屋助次郎著)を読んで。
以 上
追記:
こうぜんのき【浩然の気】の意味 - 国語辞書 - goo辞書
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こうぜんのき【浩然の気】とは。意味や解説、類語。《「孟子」公孫丑上から》1 天地にみなぎっている、万物の生命力や活力の源となる気。2 物事にとらわれない、おおらかな心持ち。
(世界宗教用語大事典
こうぜんのき 【浩然の気】
『孟子・公孫丑上』に「我善く吾が浩然の気を養う」とあるのによる。天地間に充満している非常に大きく強い気(至大至剛の気)をいう。自分の行動が正しいと、この気が身中に満ち、不屈の道徳的勇気となるとする。浩気とも。明け方近くの清澄な大気をも意味し、呼吸法とも関係し、修養法ともされる。)
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