裁判員経験者 数か月たっても心の負担
4月19日 18時55分
それによりますと、71%の人が心理的な負担を感じたとしていて、その理由について「人の運命を決める重さ」や「守秘義務の範囲が不明確で家族に話せないこと」、それに「残酷な写真を見たこと」を挙げました。また、負担を感じた時期については、およそ半数の人が「裁判前(42%)」や「裁判中(52%)」と回答した一方で、「裁判からしばらくたって」と答えた人も4人に1人の26%に上りました。数か月以上たってから裁判員の判決が2審で取り消されたことや、被告が判決に不満を持っているのを知ったことなどがきっかけになっていて、なかには2年も経過してから負担を感じ始めた人もいたということです。
アンケートをまとめた「裁判員経験者ネットワーク」の牧野茂弁護士は、「継続的なケアが必要だと分かる結果となった。やりがいを感じた人も多いので、裁判員になる意義とリスクを十分に理解してから審理に臨める環境を整えてもらいたい」と話しています。(調査は複数回答)
9か月後に負担感じ始めた経験者も
松尾さんたちは被告について「殺意があったとは言えない」と判断し、無期懲役の求刑に対して懲役15年を言い渡しました。
しかし、その9か月後、2審の判決は松尾さんたちの審理が適切ではなかったとして1審のやり直しを命じたのです。
松尾さんは「やり直しと聞いたときに、『私たちの裁判はダメだったのか』と思いました。きちんと考えて出した結論なので、ふに落ちなかったです」と話しています。
しかし、2審の判断に不満を抱いても、その気持ちを誰にも打ち明けることができませんでした。
「裁判官や裁判員の間で議論した内容を漏らしてはいけない」という守秘義務に触れるのを心配したからです。その後、まぶたや唇など顔の半分が動かなくなるようになり、ストレスが原因の可能性が高いと診断されました。症状は現在はほぼ治まっていますが、自分たちが出した判決を批判されるのが今でも怖いといいます。
松尾さんは「自分が出した結論は、裁判が終わってもずっと背負い続けなければならないことに、あとになって気付きました。裁判員にストレスがかかることを分かっていて続けられている制度なので、裁判所だけでなく、裁判員経験者や一般の人、さまざまな立場で心理的な負担の軽減策を考えなければならない」と話しています。
再生核研究所声明 16 (2008/05/27): 裁判員制度の修正を求める
素人の意見を広く求めることは、古来から行われてきた重要な考え方である。しかしながら、それらを型にはめて、一律に行う制度は、制度として無理があり、社会の混乱と大きな時間的、財政的、行政的な無駄を生み、更に良い結果を生むどころか、大きなマイナスの結果を生むだろう。 幾つかの問題点を具体的に指摘すると
(1) 制度を実行し、進めるには大きな行政的な手間と時間が掛かる。特に財政厳しい状況で大きな無駄を生む。
(2) 一般の人が裁判に関与することは、はなはだ問題である。その様なことで、時間を費やす事を好まない人や、ふさわしくない人、また希望しない人が相当数現れることが考えられる。多くの人は、そのようなことで時間をとられたり、関与することに、耐え難い苦痛を感じるだろう。
(3) 選ばれた少数の人による判断が、全国的なレベルで公正さを維持するのは難しく、また公正な裁判を要求し、期待することには無理があると考えられる。それを要求するには 大きな負担を一般の人たちにかけ過ぎる。
(4) 大きな社会で、裁判において、一律一様の考えには、無理があり、ある程度の専門性を取りいれないと、運用上も、無理が生じると考えられる。
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