二次方程式と解の公式
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3. 書籍
私は中学生向けの塾で働いてるので、最近更新できないことがおおいので記事を水増しするため生徒にたまに出す小話から一つ書くことにしました。そういうわけで基本的に中学生向けに書いたものなのですが、内容としては高校のものを含みます。できるだけ教科書的な記述方法は避けたつもりです (そもそもそんな書き方をするなら教科書を見ればいいだけの話だし)。
平方根と最も簡単な形の二次方程式 (おさらい)
二次方程式を学習した際、一番はじめに、次のような形の方程式を解かされました。
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これを解くことは造作もないことだと思いますが、これを解くと
002.png
という答えになるでしょう。方程式を字面通りに解釈すれば「ある数を二回かけたら 4 になりました。ある数とは何でしょう?」という問題です。それは小学校で 2 かける 2 は 4 とやったのですから二回かけたら 4 になるのは当然 2 です。ただし、中学一年で "マイナスかけるマイナス = プラス" というのも習いましたから、負の数を二回かけても問題ないので、2 だけでなく マイナス 2 もあわせて答えとしなければなりません。
そしてこれは、「4 の平方根は何ですか?」という問題でもあるわけです。4 の平方根とは、「二回かけたら 4 になる数」というのが定義なのですから、結局最初の方程式は、4 の平方根を求めなさいという問題だ、とも言うことができるわけです。したがって、上のかたちの方程式、"x の二乗 = a" というものを解くと言うことは、"a の平方根を求める" ということと全く同じなのです。一応断っておくと、これは x の二乗しかない方程式の場合だけ有効なお話です。4x とか x みたいな、x の一乗が入ってくる方程式は、そんな簡単な問題ではありません。例えば、「x2+2x+1=0」を解くとすると、これは -1 を右に移行すると x を二回かけたものに x の 2 倍をしたら -1 になりました、という問題になりますが、こういう時は単に平方根を取っただけでは解決しないことは明らかですね。最初の方程式は「ある数を二回かけたら、ある定数と一致した」という非常に単純な式だから、平方根を取るだけでよかったのです。
もちろん、どんな数でも平方根が整数になるとは限りません。たとえば、
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みたいな式は、まあプラスマイナスがつくのはもういいと思いますが、二回かけたら 5 になる数なんて九九では出てきませんでした。そういう数は 1, 2, 3, 4 ・・みたいな綺麗な数 (自然数) では表せませんから、新たに記号、√ (ルート) を導入することで、
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と書くんでしたね。一応ルート 4 だとかルート 25 というのも書こうと思えば書けますが、はじめから自然数を二回かけて作れるような数はわざわざ面倒なルートなんていう記号は使わずにそれぞれ 2, 5 と書き直さなければなりません。
分からない数はいくら値を足し引きしようが分からない数のまま
上のような方程式、つまり単に平方根を取るだけのような方程式になれたら、次はこんなのが登場します。
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これもやることは一緒なんですよね。やはり、左辺の二乗が外れるかわりに右辺は平方根を取ればよくて
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となります。でもこの場合は、左辺にゴミ・・というと言い方が悪いですが、x を求めたいすなわち x=・・ としたいんですから、邪魔な 1 があります。これはそのまま移行することで
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とまあ、手順は一つ増えてしまいましたが基本的にやることは一番簡単な場合と全く同じなんですよね。
結局、「x2 = a」、つまり「分からない数の二乗 = 定数」を解くということは、左辺の二乗を外す代わりに右辺は平方根を取りますよ、という風にも解釈できます。上の場合でいう (x+1)2 というのは、x に 1 を加えたものの二乗であって、分からない数 (x のこと) に 1 を加えたところで x+1 も分からない数なんですから、これも先述の「分からない数の二乗 = 定数」と全く状況は同じなんです。そこで、そのまま二乗を外して右辺は平方根を取ることで容易に解けたわけです。
平方完成で方程式を解ける形にしよう
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という形の方程式は、非常に簡単に解けました。ここで、まあ余計な手間ですけど、上の左辺を展開して、二次方程式の一般形
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を目指してみましょう。すると、
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という風になりました。つまりさっき解いた方程式は、平方根を取ればいいだけの単純な問題だったはずなのですが、展開して標準形にしてみると実はそのままではそんな単純には解けない形だったことがわかります。ここからがポイントなのですが、あの簡単な形を展開すると標準形になったということは、逆に、標準形からあの簡単な形を作り出す作業、通常展開と逆の作業といえばそう、因数分解をすることで、標準形をあの簡単な形に持って行けないか?という発想に至るわけです。じゃあ、今度はさっき展開して標準形にしたものを、再びあの簡単な形へ持って行くことにしましょう。
まず、展開の際暗黙の内に使用した、いわゆる乗法公式
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を思い出します。まあこれは a の符号を正と限定しなければプラスマイナスがあってもなくても本質的にはプラスの方だけで事足りる式なのですが、一応二つ別々に習ったのでそうしておきます。左の式から右の式へ持って行くのを展開、逆に右の形から左の形へ持って行くのは因数分解といいました。今回、"(分からない数のかたまり、この場合は 「x + 何とか」)の二乗 = 定数" を作り上げたいので、
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という方程式は、左の二つの項
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を用いて、どうにか因数分解の公式が使えるようにしてあげればよいことがわかります。このかたちからいくと、因数分解したら (x+1)2 になるなというのはすぐ見えます。これを作るために足りないのはあと +1 という項です。要するに二番目の項の「半分の二乗」が足りなくなっています。そこで、足りないというのであれば、無理矢理足してあげればいいのです。ただし、一方的に足しただけでは当然イコールにならないので、埋め合わせとして +1 を加えたかわりに -1 も同時に加えておきます。こうすればちゃんと収支が合うためやってもいい、ということになります。そうすれば、
013.png
のように変形することが出来ます。結局、何をやったかというと、分からない数の二乗=定数という式が作れれば方程式は解けるので、これを作りたいのですが、"半分の二乗" が足りないので因数分解できません。そこでそれを無理矢理出現させることで最初に因数分解してしまいます。もちろん埋め合わせとしてその半分の二乗のマイナスも出てきますから、最初からあった定数と統合してしまえば、定数に定数を足しても定数と同じ事、というわけで、その統合した定数をもう片方の辺に持って行けば見事に分からない数の二乗=定数というものを作ることができますね、ということです。これで、
005.png
という形に変形することが出来ました。このように、x2+なんとかx という二つの項から、この「なんとか」の部分の半分の二乗を無理矢理持ってくることで因数分解して (x+a)2 を作り出すことを平方完成と呼んでいます。
二次方程式の解の公式とは何者なのか
解の公式は長々としていますが、上のことを理解しているとさほど導出には苦労しません。なぜ二次方程式の解の公式、こんなに長いものを覚えさせられるかというと、乗法公式もそうであったように、これから数学、そして高校に行くと物理でも非常によく使うものだからです。乗法公式でいえば、いちいち 「(x+a)(x+a) は、それぞれ分配して・・・」というように計算すると時間が足りなくなるほど、そして今回の二次方程式でいえば、「まずは平方完成して・・・」というように解くと時間が足りなくなるほどに、頻繁に出てくるのです。まずここでこれらの必要性への認識をはっきりさせておく必要があります。義務教育で覚えさせられるということは、義務じゃない教育では当たり前のように出てくるよということなのだと思った方がよいです。
それで、乗法公式は、二つの項からなるものを二乗した結果がどうなるか、分配した結果を公式として覚えさせられたわけです。やはりこれと同じように、二次方程式の解の公式は、「二次方程式をいちいち平方完成して、ルートをとって、移項して x= ・・ にする」というのが非常に面倒ですから、あらかじめ二次方程式の最も一般的な形
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で、その面倒な手順を全部実行して x= とした結果を、解の公式として覚えましょうよ、ということなんです。これの結果さえ分かってしまえば、その一般形の a, b, c を得られた結果に入れるだけで、機械的に解が出せますからね、非常に便利です。というわけでまずこの一般形から出発して、先ほどの平方完成の手順を適用してみましょう。
その前に、平方完成するためには、
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というかたちからみて分かるように、x の二乗には係数がついていません (厳密に言うと係数が 1 になっています)。それなら、それに合うように係数を調整すればいいのです。つまり、両辺を a で割ります。a は絶対に 0 ではないので、a で割ってもいいのです。なぜならば、私たちがこれから考えるのは二次方程式なのですから、a が 0 ならばそれは二次方程式ではなくなってしまいます。したがって、a では割ってもかまわないのです。b や c は 0 になっても二次方程式のままであるため、都合が悪いため、b, c で割ることは許されません。まあ b や c で割っても何の恩恵もないから完全に余談ですが。で、a で割ると
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となります。もうこの時点で拒否反応を示す生徒も多いのですが、良い機会なのでこれを何度もやって慣れましょう。高校に行くとこういう文字ばかりの式で平方完成だの、変形させられることは相当多くなります。今慣れておくのは全く悪くないことです。今慣れなくても中学校ではこれくらいしかこういう複雑な式変形に触れる機会がないのでどうにかなりますが、高校で焦ります。それくらいなら今慣れた方がお得ってわけですね。それで、最初の二つの項から因数分解するためには、二つ目の項の半分の二乗が足りません。要するに、
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今、こうなっています。最初の二つの項からうまく下みたいに因数分解したいのですが、それには二番目の項の半分の二乗、すなわち A にあたる b/2a の二乗が足りません。ちなみに上の式はわざと下の式と合うように書き直しました。元々 b/a でしたが 2Ax の形に直したければ無理矢理前に 2 を出せばいいだけの話なのでそうなると当然下に 2 が来ないと等しくないですよね。まあそう難しい話ではありません。というわけで、平方完成するためにこの b/2a の二乗を無理矢理方程式に付け加えますが、もちろん勝手に足したら等しくないので埋め合わせも忘れないでおきます。すなわち
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です。これで最初の三つの項で平方完成できます。さっそくやると
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となります。これで (分からない数)2 は出来たので、あとの右の二つのゴミみたいなものは定数のかたまり、つまりいくら集まろうがただの定数に過ぎませんから、移項してあげてればもう (分からない数)2=定数 という最も簡単な形の方程式に書き換えられるのです。そうなれば試合終了ですね。というわけで定数を移項します。
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でもこのままじゃかっこわるいのでルートを取る前に通分します。最初にひとつめの項の二乗を外すと
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となります。通分したかったら分母を揃えればいいという話ですね。ひとつめの項は 4×a×a 、ふたつめは a だけなのでつまり右側の分母・分子に 4 × a を補充してあげればいいのですね。文字になってもやってることは数字の場合と変わりません。例えば分母が 28 と 7 のものの通分だったら片方は 4 × 7 でもう片方は 7 だけだから足りない 4 を 7 が分母の方の上下にかけてあげれば通分できるね、っていう話と全く同質です。それで、通分すると
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となりました。この時点でもう解の公式のルートの中身 b の二乗 - 4ac が登場していますよね。もうこれで最も簡単な形になったので左辺の二乗を外し、右辺の平方根を取りましょう。そのとき、右辺の分母 4a2 は 2a の二乗であるためルートが外れて 2a になるのにも注意すれば
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となります。まああとは x= にしたいのでゴミをうつしてやります。その際都合がよいことに分母は一緒なので、統一して書いてあげると、あの有名な解の公式
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が登場し、無事出すことができたというわけです。こうして見れば、解の公式というのは、何も大儀な事ではなくて全く簡単、単に二次方程式を解く際、「平方完成→ルートをとる→移項」が面倒だから一般形にそれをあらかじめ適用した結果を覚えちゃえというだけの話である、ということがよく分かるはずです。このことを理解しなければ解の公式を使う権利はないと個人的には思いますので、なぜこんな公式が出てきたかは説明できるようにしましょう。証明云々とか厳密さとかは私もそんなに好きではなく、そんなことよりその公式が出てくる流れを押さえることの方がずっと大事です。
方程式によって答えの数がなぜ違うか
これだけではつまらないのでもう少し先の話をします。二次方程式にはどういうわけか解が二つある場合と、一つしかない場合、そして一つもない場合、とみっつのパターンがあります。なぜそうなるのかはいくらでも説明の仕方があると思いますが、ここではある二つの視点からそのことを見てみます。
一つ目はたった今出した解の公式からの視点です。解の公式は
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でしたが、もし a, b, c が自由に決められるとして、不具合が起こるとしたら何が考えられるでしょうか。もちろん、ゼロ除算はしてはいけないから「a=0 の場合」というのはナシです。なぜならば、先ほども書いたように、a=0 ではそもそも二次の項がないから二次方程式ではないため、解の公式を出す大前提を破ってしまっているからです。
それ以外に学校で「やってはいけない」とされているルールと考えますと、なるほど分母は大前提ですから問題にはなりませんし、マイナス b もどうなろうが勝手ですから何もなさそうです、となると自然とルートの中身に目が行くと思います。そう、ここがポイントになります。ルートの中身を改めて
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とおくことにします。このときの D は判別式といいます。別に改めてこれを D とおいただけなので、D というのが嫌いなら b2-4ac と呼んでも何も問題有りません。全く同じです。ちなみに D になっているのは英語で判別式のことを Discriminant というためです。たいていこの手の文字は、英語の頭文字がそのままとられていることが多いです。これ以外の例でも、たとえば半径 r は英単語 radius の r 、時間 t は time の t、速度 v は velocity の v 、体積 V は Volume の V など、数え上げればきりがありませんね。で、これはルートの中身なのですから、負になることはあってはなりません (ただ、認めると面白いことになります。このことは大学に行ってから複素解析という数学の分野で学ぶこととなります)。ギリギリのところでゼロにはなっても大丈夫です (√0 は 0 だから OK)。正は言うまでもなくですね。
以上の事実を吟味してみましょう。正の場合 (D>0) は、ルートは間違いなく生存できます。つまりその手前のプラスマイナスもそのまま生存しています。そういうわけで、解は必ず二つあります。ですが、D=0 の場合はルートが消えてしまうのでプラスマイナスもなくなります。こうなると解は x=-b/2a だけ、つまり解は一つだけということになります。これが「解が一つしかない」場合のからくりです。では解が一つもないというのはどういうことでしょうか。大体想像はつきますが、これが D<0 の場合にあたります。ルートの中身が負になってしまうということは、そもそもルートの中身を負にしてはいけないのですから、方程式の解としては無効なものを出してしまったわけです。ですから、出てきた解も一応解ですが無効な解ということになってしまいます。そういうわけで、これは解無し (解が一つもない) と呼びます。余談ですが、やはりここでルートの中身が負になることを認める、つまり虚数とかいうものを認めると、虚数の範囲で解は二つ出ることになりますので、真の意味で解がないわけではありません。厳密には "実数の" 解なしです。 これが答えが一つもないことの仕組みです。
これらのことから、最終的に、二次方程式について、以下の情報を得ることができました。
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あらかじめルートの中身 D を計算して、それが正か 0 か負か見るだけでその方程式の解の個数が分かる、ということでもありますね。だから解の個数だけ知りたかったらわざわざ解の公式を使う必要はなく、判別式だけパッと計算すればいいということになります。
次に、もう一つの視点、図的な視点から見てましょう。二次方程式から考えてもちょっと難しいので、ここで一次方程式の話をします。一次方程式とは、
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という形の方程式でした。ここでちょっと待って欲しいのですが、そもそも一次方程式を解くということは、図的には何をしているのでしょうか?これには、以下のような説明を与えることができるでしょう。図というかグラフ的には、二つの関数 (関数といってもここでは全然難しく考える必要はなく、直線です)
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つまり最初の方程式でいう y=左辺 と y=右辺 があって、この二つの x, y に関する連立方程式を x について解いている、と見ることができるのです。x について解いているというのは、y が等しいとして y を代入法によって消去しているため、事実上 x を解く方程式になった、という意味です。上の二つの式の y をつなげば間違いなく
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になりますからね。これもまた a=0 なら一次の項が消滅してしまい、そもそも一次方程式ではなくなってしまうので、a=0 の場合は考えないでおきます。そうすると、必ず傾きのある直線 (つまり x 軸に平衡ではない直線) が y=ax+b のグラフ、ということになります。y=0 というのはもちろん x 軸そのものです。ということは、傾きがなんであっても、この二つのグラフの y 座標が等しいとして = でつないだ一次方程式、x についての式は、二つのグラフの交点の x 座標を求めているということになるので、必ず解は一つだけ存在すると言えます。図で見れば一発ですね。
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上のように、どんな傾きと切片で直線を作っても、解は必ず持ち、それも一つだけであることが理解できます (ちょっとした自慢ですが、上のグラフは iPad で描いています。実際このことを説明するときも上のようなグラフを見せて説明しています)。
ここで、この話を二次方程式の場合に拡張してみましょう。となればやはり、二次関数と x 軸の連立方程式
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の交点の x 座標を求めている、という話が、一次方程式の話より類推できます。二次関数は y=ax2 としか中学では習わないかもしれませんが上のような一般形でもグラフの形は全く同じです。この bx+c というのは、原点を動かすためにあるゴミみたいなもので、形には一切影響しません。繰り返しますがこれがあると、原点もとい、折り返し地点が本当の原点 O から違う点にうつる、というだけの話です。
まあ二次関数の外形は知っていると思いますが、一応 y=x2 と y=-2 のグラフを示しておくと、
029.png
でしたよね。下がマイナスの方なのもいいでしょう。この U 字、逆 U 字が自由に動いてよいのだとして、それと x 軸との交点が解、というのだとしたら・・・?もうお分かりかもしれませんが、考えられるパターンは 3 パターン。まず解が二つあるというのは、
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こういう場合です。ルートの前にプラスマイナスがあったと思いますが、マイナスの方が小さい解であることは明らかなので、二つの解のうち小さい方が左の交点、大きい方が右の交点、ということになります。次に、一つしかないというのは
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こういうパターン、そして最後に、解なしというのは、x 軸と交点を持たない、いいかえれば x 軸に達する前に折り返してしまうようなグラフ
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であることがわかります。そして、前の話と絡めると、それぞれ D>0, D=0, D<0 に対応しているというのも大丈夫でしょう。
以上で、二次方程式は解の個数が必ず何個ではなく、2 個、1 個、解なしの三種類あるというのは理解できたと思います。これは高校 1 年の最初の方でやる話ですが、別に高校でやるから難しいということでもなく、結局高校の数学だって中学数学から始まっている話なのだということもわかります。普段塾ではここまでしか話しませんが、インターネットの記事には幸い時間制限という概念がないためいくらでも書きたいことを続けて書いておきたいと思います。
解と係数の関係
解の公式から、二つの解
022.png
というのがわかりました。プラスマイナスは二つあるものをひとまとめにしたものなので、プラスの方、マイナスの方で、あわせて二つですよね。それで、小さい方の解を α, 大きい方の解をここでは β とおいてみましょう。どっちがどっちだかお分かりでしょうか。ルートは絶対正の値ですから、ある値にそれを足したら正の値を足したことになりますし、ある値からこのルートを引いたら正の値を引いたことになります。ということは、プラスマイナスのうち、マイナスの方が小さい方、プラスの方が大きい方の解であることはすぐにわかります。したがって、
033.png
となります。ここでこの和と積をとってみましょう。実を言うとこの二つの演算は、うまく乗法公式を活用できるような形になっています。
034.png
このように、二つの解の和と積は、非常に簡単な係数同士の割り算で与えられるということがわかります。この結果を解と係数の関係といいます。こんなの分かったからどうなんだという話ですが、まあ正直に言うとこれは高校の数学 II でやる内容なんですけど、大学では全然使いませんので、そんなに気にするほどのものでもありません。ただし使うと楽になる場合は若干存在するので、知っておいて損ではないものです。例えばこのページの下の方でも使ったりしているのですが、やっていることはさておき確かに使うと楽になるというのは分かると思います。ちなみにこの和と積という演算は交換可能な演算であるため、α, β はどっちでも問題ありません。ここでは小さい方大きい方と指定しましたが本当はそんなのはどっちを置こうが結果は同じになるからどうでもいいのです。http://li.nu/blog/2010/10/quadratic-equations.html
Announcement 179: Division by zero is clear as z/0=0 and it is fundamental in mathematics
\documentclass[12pt]{article}
\usepackage{latexsym,amsmath,amssymb,amsfonts,amstext,amsthm}
\numberwithin{equation}{section}
\begin{document}
\title{\bf Announcement 179: Division by zero is clear as z/0=0 and it is fundamental in mathematics\\
}
\author{{\it Institute of Reproducing Kernels}\\
Kawauchi-cho, 5-1648-16,\\
Kiryu 376-0041, Japan\\
E-mail: kbdmm360@yahoo.co.jp\\
}
\date{\today}
\maketitle
{\bf Abstract: } In this announcement, we shall introduce the zero division $z/0=0$. The result is a definite one and it is fundamental in mathematics.
\bigskip
\section{Introduction}
%\label{sect1}
By a natural extension of the fractions
\begin{equation}
\frac{b}{a}
\end{equation}
for any complex numbers $a$ and $b$, we, recently, found the surprising result, for any complex number $b$
\begin{equation}
\frac{b}{0}=0,
\end{equation}
incidentally in \cite{s} by the Tikhonov regularization for the Hadamard product inversions for matrices, and we discussed their properties and gave several physical interpretations on the general fractions in \cite{kmsy} for the case of real numbers. The result is a very special case for general fractional functions in \cite{cs}.
The division by zero has a long and mysterious story over the world (see, for example, google site with division by zero) with its physical viewpoints since the document of zero in India on AD 628, however,
Sin-Ei, Takahasi (\cite{taka}) (see also \cite{kmsy}) established a simple and decisive interpretation (1.2) by analyzing some full extensions of fractions and by showing the complete characterization for the property (1.2). His result will show that our mathematics says that the result (1.2) should be accepted as a natural one:
\bigskip
{\bf Proposition. }{\it Let F be a function from ${\bf C }\times {\bf C }$ to ${\bf C }$ such that
$$
F (b, a)F (c, d)= F (bc, ad)
$$
for all
$$
a, b, c, d \in {\bf C }
$$
and
$$
F (b, a) = \frac {b}{a }, \quad a, b \in {\bf C }, a \ne 0.
$$
Then, we obtain, for any $b \in {\bf C } $
$$
F (b, 0) = 0.
$$
}
\medskip
\section{What are the fractions $ b/a$?}
For many mathematicians, the division $b/a$ will be considered as the inverse of product;
that is, the fraction
\begin{equation}
\frac{b}{a}
\end{equation}
is defined as the solution of the equation
\begin{equation}
a\cdot x= b.
\end{equation}
The idea and the equation (2.2) show that the division by zero is impossible, with a strong conclusion. Meanwhile, the problem has been a long and old question:
As a typical example of the division by zero, we shall recall the fundamental law by Newton:
\begin{equation}
F = G \frac{m_1 m_2}{r^2}
\end{equation}
for two masses $m_1, m_2$ with a distance $r$ and for a constant $G$. Of course,
\begin{equation}
\lim_{r \to +0} F =\infty,
\end{equation}
however, in our fraction
\begin{equation}
F = G \frac{m_1 m_2}{0} = 0.
\end{equation}
\medskip
Now, we shall introduce an another approach. The division $b/a$ may be defined {\bf independently of the product}. Indeed, in Japan, the division $b/a$ ; $b$ {\bf raru} $a$ ({\bf jozan}) is defined as how many $a$ exists in $b$, this idea comes from subtraction $a$ repeatedly. (Meanwhile, product comes from addition).
In Japanese language for "division", there exists such a concept independently of product.
H. Michiwaki and his 6 years old girl said for the result $ 100/0=0$ that the result is clear, from the meaning of the fractions independently the concept of product and they said:
$100/0=0$ does not mean that $100= 0 \times 0$. Meanwhile, many mathematicians had a confusion for the result.
Her understanding is reasonable and may be acceptable:
$100/2=50 \quad$ will mean that we divide 100 by 2, then each will have 50.
$100/10=10 \quad$ will mean that we divide 100 by10, then each will have 10.
$100/0=0 \quad$ will mean that we do not divide 100, and then nobody will have at all and so 0.
Furthermore, she said then the rest is 100; that is, mathematically;
$$
100 = 0\cdot 0 + 100.
$$
Now, all the mathematicians may accept the division by zero $100/0=0$ with natural feelings as a trivial one?
\medskip
For simplicity, we shall consider the numbers on non-negative real numbers. We wish to define the division (or fraction) $b/a$ following the usual procedure for its calculation, however, we have to take care for the division by zero:
The first principle, for example, for $100/2 $ we shall consider it as follows:
$$
100-2-2-2-,...,-2.
$$
How may times can we subtract $2$? At this case, it is 50 times and so, the fraction is $50$.
The second case, for example, for $3/2$ we shall consider it as follows:
$$
3 - 2 = 1
$$
and the rest (remainder) is $1$, and for the rest $1$, we multiple $10$,
then we consider similarly as follows:
$$
10-2-2-2-2-2=0.
$$
Therefore $10/2=5$ and so we define as follows:
$$
\frac{3}{2} =1 + 0.5 = 1.5.
$$
By these procedures, for $a \ne 0$ we can define the fraction $b/a$, usually. Here we do not need the concept of product. Except the zero division, all the results for fractions are valid and accepted.
Now, we shall consider the zero division, for example, $100/0$. Since
$$
100 - 0 = 100,
$$
that is, by the subtraction $100 - 0$, 100 does not decrease, so we can not say we subtract any from $100$. Therefore, the subtract number should be understood as zero; that is,
$$
\frac{100}{0} = 0.
$$
We can understand this: the division by $0$ means that it does not divide $100$ and so, the result is $0$.
Similarly, we can see that
$$
\frac{0}{0} =0.
$$
As a conclusion, we should define the zero divison as, for any $b$
$$
\frac{b}{0} =0.
$$
See \cite{kmsy} for the details.
\medskip
\section{In complex analysis}
We thus should consider, for any complex number $b$, as (1.2);
that is, for the mapping
\begin{equation}
w = \frac{1}{z},
\end{equation}
the image of $z=0$ is $w=0$. This fact seems to be a curious one in connection with our well-established popular image for the point at infinity on the Riemann sphere.
However, we shall recall the elementary function
\begin{equation}
W(z) = \exp \frac{1}{z}
\end{equation}
$$
= 1 + \frac{1}{1! z} + \frac{1}{2! z^2} + \frac{1}{3! z^3} + \cdot \cdot \cdot .
$$
The function has an essential singularity around the origin. When we consider (1.2), meanwhile, surprisingly enough, we have:
\begin{equation}
W(0) = 1.
\end{equation}
{\bf The point at infinity is not a number} and so we will not be able to consider the function (3.2) at the zero point $z = 0$, meanwhile, we can consider the value $1$ as in (3.3) at the zero point $z = 0$. How do we consider these situations?
In the famous standard textbook on Complex Analysis, L. V. Ahlfors (\cite{ahlfors}) introduced the point at infinity as a number and the Riemann sphere model as well known, however, our interpretation will be suitable as a number. We will not be able to accept the point at infinity as a number.
As a typical result, we can derive the surprising result: {\it At an isolated singular point of an analytic function, it takes a definite value }{\bf with a natural meaning.} As the important applications for this result, the extension formula of functions with analytic parameters may be obtained and singular integrals may be interpretated with the division by zero, naturally (\cite{msty}).
\bigskip
\section{Conclusion}
The division by zero $b/0=0$ is possible and the result is naturally determined, uniquely.
The result does not contradict with the present mathematics - however, in complex analysis, we need only to change a little presentation for the pole; not essentially, because we did not consider the division by zero, essentially.
The common understanding that the division by zero is impossible should be changed with many text books and mathematical science books. The definition of the fractions may be introduced by {\it the method of Michiwaki} in the elementary school, even.
Should we teach the beautiful fact, widely?:
For the elementary graph of the fundamental function
$$
y = f(x) = \frac{1}{x},
$$
$$
f(0) = 0.
$$
The result is applicable widely and will give a new understanding for the universe ({\bf Announcement 166}).
\medskip
If the division by zero $b/0=0$ is not introduced, then it seems that mathematics is incomplete in a sense, and by the intoduction of the division by zero, mathematics will become complete in a sense and perfectly beautiful.
\bigskip
section{Remarks}
For the procedure of the developing of the division by zero and for some general ideas on the division by zero, we presented the following announcements in Japanese:
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{\bf Announcement 148} (2014.2.12): $100/0=0, 0/0=0$ -- by a natural extension of fractions -- A wish of the God
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{\bf Announcement 154} (2014.4.22): A new world: division by zero, a curious world, a new idea
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{\bf Announcement 157} (2014.5.8): We wish to know the idea of the God for the division by zero; why the infinity and zero point are coincident?
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{\bf Announcement 161} (2014.5.30): Learning from the division by zero, sprits of mathematics and of looking for the truth
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{\bf Announcement 163} (2014.6.17): The division by zero, an extremely pleasant mathematics - shall we look for the pleasant division by zero: a proposal for a fun club looking for the division by zero.
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{\bf Announcement 166} (2014.6.29): New general ideas for the universe from the viewpoint of the division by zero
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{\bf Announcement 171} (2014.7.30): The meanings of product and division -- The division by zero is trivial from the own sense of the division independently of the concept of product
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{\bf Announcement 176} (2014.8.9): Should be changed the education of the division by zero
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\bibliographystyle{plain}
\begin{thebibliography}{10}
\bibitem{ahlfors}
L. V. Ahlfors, Complex Analysis, McGraw-Hill Book Company, 1966.
\bibitem{cs}
L. P. Castro and S.Saitoh, Fractional functions and their representations, Complex Anal. Oper. Theory {\bf7} (2013), no. 4, 1049-1063.
\bibitem{kmsy}
S. Koshiba, H. Michiwaki, S. Saitoh and M. Yamane,
An interpretation of the division by zero z/0=0 without the concept of product
(note).
\bibitem{kmsy}
M. Kuroda, H. Michiwaki, S. Saitoh, and M. Yamane,
New meanings of the division by zero and interpretations on $100/0=0$ and on $0/0=0$,
Int. J. Appl. Math. Vol. 27, No 2 (2014), pp. 191-198, DOI: 10.12732/ijam.v27i2.9.
\bibitem{msty}
H. Michiwaki, S. Saitoh, M. Takagi and M. Yamada,
A new concept for the point at infinity and the division by zero z/0=0
(note).
\bibitem{s}
S. Saitoh, Generalized inversions of Hadamard and tensor products for matrices, Advances in Linear Algebra \& Matrix Theory. Vol.4 No.2 (2014), 87-95.http://www.scirp.org/journal/ALAMT/
\bibitem{taka}
S.-E. Takahasi,
{On the identities $100/0=0$ and $ 0/0=0$}
(note).
\bibitem{ttk}
S.-E. Takahasi, M. Tsukada and Y. Kobayashi, Classification of continuous fractional binary operators on the real and complex fields. (submitted)
\end{thebibliography}
\end{document}
アインシュタインも解決できなかった「ゼロで割る」問題
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